【2017年12月の雑感①】
▲アケボノソウの花:花言葉は①前向きに、②今日も元気で、私にぴったりの言葉です。寒さが厳しくなってきています。風邪をひかぬように注意し暖かくして過ごしてください。
上等の暇つぶしとは?
■昨日は16回目の抗がん剤投与に行ってきました。明日まで首からボトルを提げて過ごします。今朝は寒いから朝の運動は差し控えようと思っていましたが、昨夜11時前に眠りについて午前1時半に目が覚めてトイレに行くと、その後は朝6時までぐっすり眠られませんでした。そこで思い切って起きて運動と団地の側溝に落ちているペットボトル拾いをしてきました。いつの時代も馬鹿がいるものです。8個回収しました。それにしても今朝は寒かったですね。
■つい最近の朝日新聞の「折々の言葉」に次のような一文が掲載されていました。
『今日は気分がいいから、教えてあげよう。人生はな、冥途までの暇つぶしや。だから、上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ。』中尊寺管主、作家の今東光大僧正。(故人)
●久しぶりに喰いつきました。人生って一言で言ったなら何なんですか?という問いに答えたものです。私は若いころから人生は仕事を通じて世の中の誰かの役に立つことだと思っていました。しかし2年半前に癌になり仕事ができなくなって「終わった人」になった。後は自分と家族のことのみを考えて何とか72歳まで余生を暮らそう、と思っていました。ですから「冥途までの暇つぶし」という言葉に共感を覚えたのです。(笑)
●ですが和尚の「上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ」には少し考え込みました。上等の暇つぶしとは何なんだ、暇つぶしは分かるが、上等とは?この数日時々頭の中で反芻しています。
●先週土曜日の朝の散歩中でしたか、ラジオ体操の後のNHKラジオで有名な学者の養老孟司さんがサタデーエッセイなるお話をされていました。なんとなく聴いていると、養老さんは寝る前にファンタジー小説を原語で読んでいるのだとおっしゃっていました。その話の中でファンタジー小説は過去の時代を題材にした話で未来を題材にしたのがSF(サイエンスフィクション)であるとのことです。このことは知らなかったので興味を持って聴き、頭にインプットしました。「ああそうか」という思いです。
●養老さんの話はまだ続くのですがあとは聞き流してしまいました。ファンタジーはハリーポッターなどを例に挙げられていたようです。最後は文学が人間に与える価値は何なんかの話だったと記憶していますが定かではありません。
●ところが昨日(12月5日)の朝日新聞の記事で大学共通入学テストの問題例を読むと、記憶力+思考力と判断力が求められる内容になっていました。そうすると問題の読解力が重視されるなと思っていて、先の養老さんの話を思い出したのです。
●あの時養老さんが言いたかった本当のテーマは何だったんだろうと。私がファンタジーとSFの違いに興味を持ったことなどは表層的な知識であって、最後の方で言っておられた文学が人間に与える価値というような話が本質ではなかったかと思いいたりました。
●残念ながらその内容は聞き流していたので覚えていません。養老さんのお話が文章にされてその本質は(養老さんが一番伝えたかった事)何なんだろうと問われたら私は落第です。(笑)
●私はファンタジーが過去でSFが未来なら現在は何なんだろうと考えていました。エンターテイメントか、いや分類が大きすぎるからミステリー、サスペンス、ホラー、コメディ、ラブストーリー、アクション、警察小説などなどだろうか?とか、2001年宇宙の旅は当初はSF小説、映画だったけれど今は2017年、もう過去になりつつある。これはいまだもってSFだろうか、人類は宇宙にも行ったし、コンピューターもスーパー化している。人工知能も発達しつつある。どのように位置づけすれば良いのだろうかと、考え中です。本当は養老さんの言いたかった本質を探究する方が『上等の暇つぶし』ではないかと反省しています。
●「覆水盆に返らず」です。養老さんのお話は確認できませんので、これからは気になる出来事がればそこにある本質は何かを考える習慣を身に着けることが「上等の暇つぶし」になるんじゃないかと思いいたった次第です。さてこれからどれだけできるでしょうか。
■将棋の羽生善治さんが前人未到の偉業である永世7冠を達成されたニュースが飛び込んできました。宿敵渡辺明竜王から竜王のタイトルを奪取して竜王位につきました。渡辺竜王には三度目の正直で勝ちました。永世6冠から9年かかっています。(前回は名人戦でした)厳しい道だったのでしょう。
●渡辺竜王が最近不調に陥っていたのも幸運でした。羽生さんも今年に入って20代の若手の追い上げで3冠から棋聖1冠になっていたのでどうかなと思いましたが、見事です。
●新聞での棋界の方々の祝福コメントも素晴らしものばかりです。ですが羽生さんの喜びの言葉、自己分析が秀逸です。「過去の勝利経験は未来を保証しないのがこの世界です。棋上の戦いはテクノロジーですから常に進化しています。新しい研究と試みを積極的に吸収していかないと戦えません。」というような主旨のことを話されていたようです。
●凡人の私には真似は出来ませんが、本質を探って発信するという努力はできそうです。『上等な暇つぶし』は何かをキーワードに病気以外のことも本欄で発信していければと思っています。時々ご笑覧ください。<完>
- 登録日時
- 2017/12/06(水) 18:37