【2018年5月の雑感①】
▲満開だったツツジの花々。こんなに綺麗に咲いていた自宅周辺のツツジも今は枯れつつあります。その美しさの落差に人間も同じだなと思っています。
集中力と体調
■ゴールデンウイークの最中の5月1日(火)に26回目の抗がん剤投与を行いました。上の息子が5月2日に帰省してきましたが私は副作用で体調不良の真っただ中に突入です。2日ぐらいから気分が悪くなり、3日(木)の抜針日にはもう食欲不振が始まりました。(気分もとても悪いのです)
●息子の歓待のため家内は豪華なご馳走を準備していましたが私は食欲も湧きませんし、全身の倦怠感で子供たちが喜ぶのを見守るばかりでした。それでも満足感には満ちていました。家族が元気に食事をする姿には幸せを実感できます。
●例によって4日(金)は魔の金曜日でした。終日食欲もなく体はだるくて気分は最悪です。終日横になってテレビを眺めるか浅い眠りを繰り返していました。食事はほとんどとらず、無理やり果物ゼリーやバナナで補給です。
●ようやく5日(土)の午後から少し麺類やご飯が食べられるようになりました。
いつも通りのパターンです。土曜の夜は家族で外食と決めていました。私も参加して少量のご飯と八宝菜を食べました。野菜がたっぷりのメニューを選んでその後に備えたのです。しかし味覚は少しおかしかったですね。
●この間食事をあまり摂っていないので、便秘が始まると思っていました。予想は当たって、4日(金)から7日(月)までありませんでした。看護師さんから食べたものは72時間で排泄されると聞いていたので3日間は大丈夫と思っていましたが、流石に4日目は少し焦りました。
●ですが8日(火)朝には出て少しすっきりしました。以降は順調に日に2回排泄が出来ています。それにつれて体調も投薬前に戻ってきました。食欲も味覚もほぼ平常どおりということです。今後1週間は穏やかに過ごせるでしょう。
●しかし副作用がきつい間は何かをしようという意欲が湧きません。ですから何かに向かってやり遂げようという気にもならないのです。人間にとって何かを成し遂げるには体調というのは非常に重要な要素だと再認識しました。
●同時に何かをやり遂げるには『集中力が大事』だということを思い出しました。そこで5月最初の雑感は集中力について私の経験から学んだことをお伝えしようと思います。
■仕事で成果を出すにはいくつかの手段から絞り込んで、実行段階で1点突破をする集中力が大事です。そうすると多くの場合成果を上げることができました。
●私の経験は小売業でのことです。小売業では何かのキャンペーンを行うことが多々あります。そこで目標達成するには、いくつかの手段を企画する必要があります。考える段階では風呂敷を広げるように多くのアイデアを出さねばなりません。
●最初から思い込みでこれだと決めるのは邪道です。多角的な検討が必要です。5W2Hで、①ねらいは何か(目的)、②何を(商品やサービス)、➂誰に(対象となる顧客像)、④いかにして(手段・方法)、⑤いつ(期間)、⑥どこで(場所やチャネル)、⑦費用は(コスト対成果から)という7つの視点で計画します。
●風呂敷は 広げたなら「つつんで」「結ぶ」ことで用途が完結します。このたとえのように、包むためには絞り込みが必要です。それは実行段階ではあれもこれもと同時に行うことは可能ですが成果を上げるには難しいからです。
●特に部下を持ってチームで目標達成に向かう時は手段を1つに絞り込むことが成果を上げる近道です。各人の意識がチームメンバーと共有されている方が相乗効果を発揮しやすく、コミュニケーションも良くなります。
●私たちは同時に複数のことは考えることができますが、実行となれば同時に複数のことを行うのは苦手です。中には「やり手」といわれるビジネスパーソンは複数のことを見事にこなしておられる例はあります。ですが普通のビジネスパーソンのチームでは重点指向が効果的です。
●それはいくつかの手段を同時に行うことは、「中途半端」に終わるというリスクが潜んでいるからです。私が現役のころ営業現場に出て間もないころ部下の店長から、「エリア長、本部は次から次へといろんなことをやれと言いますが、現場は動きませんで、やめること、やらなくていいことを言ってください」と言われたことが忘れられません。
●その後、私は自分の判断で実行する手段の優先順位を決めて、やらなくてもいいことを決めました。後にドラッカー先生のことを勉強する機会があり、「劣後順位を決めよ」という教えに出会いました。劣後順位とはやらなくてもいいことの順位を決めよというものでした。
●リーダーは次から次へとあの手この手を部下に実行せよと押し付けるのではなく、この手段の狙いは何か(目的の確認、理由の確認)を行い、その実行に集中させるに必要な条件を考えることが仕事だと学んだことがあります。
●そして経験上も目的を明確にして手段を1つに絞り込んで、実行に邪魔な条件(劣後順位)をできる限り取り除き、部下を目標に向かって邁進させることが成果を上げることだと実感しています。それがメンバーの集中力を高めることにもつながります。
●今回は自分の体調管理の推移を通じて仕事の成果を上げるには集中力が大事だということを思い出して本文を書きました。副作用が緩和し、花粉症もようやく終えようとしていることから私の体調もましになりつつあります。ですから集中して本文を書けました。次は15日(火)に27回目の投薬、29日(火)に28回目の投薬です。今月は3回もあるんです。私が生き抜くために必要な手段です。また苦しい時があるでしょうが頑張ります!<完>
- 登録日時
- 2018/05/10(木) 10:59