【2019年01月の雑感②】病気備忘録
▲再びさざんかの花:めずらしい高木(こうぼく)に出会いました。赤い花と青い空の対比が美しく思わずパチリ。
やはり癌が大きくなっていました。
■1月9日(火)に今年最初の抗がん剤投薬に行ってきました。この日は混んでいるとのことで午後1時の予約でした。しかし診察が開始されたのは午後2時でした。私が患者の大トリでした。主治医の先生は「話が少し長くなると思いまして」と言っておられました。
●今日はCT検査の結果が判明しており、その結果今後の治療方針を相談する予定でした。「体調はどうですか」と型通りの前振り、私は「最初の3日間以外はおかげで安定していました」と答えました。
●早速先生からは「残ながら癌は少し大きくなっていましたね。」と言いながらモニターの画面を提示してくれました。前にも書いていますが私の転移した癌は肺にあります。右肺に2つ、左肺に1つの3つです。
●前回は8月21日にCT検査をしています。その時のサイズが右肺10・68㎜、と7・3㎜、左肺15㎜でした。それが今回は右肺10.13㎜とやや縮小、7.7㎜とやや拡大、左肺15㎜で変わらずでした。サイズだけだとたいして変化が無いと思いますが、左肺の癌の画像がより鮮明になっていて全体に膨らんで見えます。
●1年前に比べると右肺8㎜、7㎜です。左肺は7㎜といずれも1㎝以下でした。1年で大きくなっているのが分かります。特に左肺は倍以上の拡大です。
1㎝を超えると定規を見ていても大きいなと思います。最初の直腸がんの時は3㎝にもなっていました。ですから自覚症状が出たんでしょうね。
●左肺の癌の成長が著しいので気がかりです。1年で7㎜も大きくなるとすると治療をしないと2年後には3㎝に到達します。しかもくっきり画像に浮かび上がっているところを見るとこの癌が強敵になりそうです。
●さらに血液検査の結果、尿たんぱくがまだ降りているので「アバスチン」という抗がん剤は今回も使えないとのことでした。ここから先生が慎重に私の反応を確かめるように、言葉を選びながら「鶴崎さんの抗がん剤の選択肢は少ない」旨を前回同様繰り返されます。遺伝子検査の結果、効果の割に副作用の方が強いのが分かっているそうです。
●ここまで聴くと現在投与中の「イリノテカン」の増量しかないのが分かります。ですが先生は前回の入院中に私がベテラン看護師さんに、イリノテカンの副作用の恐怖を話していたのでそれを伝え聞いておられたのでしょう。
●サイザムラを提案されて甚大な副作用に見舞われたことにも気を使っておられるのだと感じました。先生から強制はされず今後の抗がん剤の投薬を私に決めさせようとされているのだと推察しました。(笑)
●そこで先生の話が一息ついたところで、「じゃ先生、当面はイリノテカンをレベル2まで上げて投与するしかないと思いますが」と伝えると、安心したように「そうですね、じゃちょっと計算してみますね」と処方箋を書き進められました。
●やるね先生、これで私の同意を改めて確認せずとも「イリノテカン」の増量が決まりました。次回、尿たんぱくの確認が出来て「アバスチン」の投与が可能になると、2つの主要抗がん剤の同時投与が可能になります。先生の次の手は「イリノテカン」をレベル3にして「アバスチン」との併用で効果を確認したいのだと思います。
●ただ一昨年の夏にこの組み合わせに替えた時に、副作用で白血球が大幅に減ったこと、激しい下痢に襲われたことなどがあってその後の投薬を休止した経緯があります。その後アバスチン1本で10か月、安定した経緯を過ごしたのですが、8月のCT検査で癌の拡大が見られたので薬の変更を試み、ネフローゼという甚大な副作用に襲われたのです。
●ですから9月までは「サイラムザ」の投与を行ったのです。その結果が副作用で休止し、10月中旬から」11月上旬まで3週間の入院となったのです。退院後は「イリノテカン」をレベル1からの投与で2回行ってのCT検査です。ほぼ抗がん剤が投与されない時間の方が多かったのです。
●ですからこの程度の拡大であったのは良い方向だと思っています。私の免疫力が頑張ったのだと褒めてやっています。癌はしぶといが私もしぶといと思います。当然同じ細胞ですからせめぎ合いになるのでしょう。(笑)
●次回のCT検査は3月上旬にということになりました。次回の抗がん剤投与は1月22日(火)です。おそらく尿たんぱくはまだ改善していないかもしれません。2月の治療からは「アバスチン」の併用が可能になる見通しでしよう。先生の治療時間を朝一番に変更していただきました。予約の先取りです。
●血液検査の結果は概ね良好で、白血球も5,000へと増加していました。通常の領域です。(これも私が尋ねないと仰らないことでした)、最後に雑談のようにして「これからどうなりますかね」と投げかけると先生は「今すぐ生命が危険な状態になることはありません」と答えていただきました。
●そこで「先生、今年の年賀状にあと1,000回の晩飯を愉しむと書いたんですけどね」と投げかけると、「1,000回、3年ですか…」「いやちょっと短いですが…」「可能性が無いことは無いんでしょうが・・・」ちょっと苦笑いをうかべながら「大丈夫」とは仰いません。
●これ以上追及しても答えはでませんので「いや、今日はどうもありがとうございました」と御礼を言って終わりにしました。良いコミュニケーションが取れたと思います。それは先生が一方的ではなく『私に意識を向けて』コミュニケーションをとられたからでしょう。私は常に先生の関心事は何かに意識を向けて対話するように心がけています。勿論自分の関心事をちょこっと伝えるようにしています。
●そこから抗がん剤の投与を行い、午後3時10分雄開始から午後5時10分まで2時間で終えました。看護師さんも遅いのを承知で点滴のスピードアップを図られたのでしょう。(笑)
●抗がん剤は前回に比べて1ランク上の量ですからおよそ1.2倍らしいです。副作用の懸念がありましたが、前日便秘だったせいか投薬当日に7回も便所に駆け込みました。しかし下痢ではなく通常便です。薬のせいで腸の活動が活発になったのでしょう。
●投薬日の夜は過去2回、一睡もできなかったので「睡眠薬」を処方してもらいました。ですが、夜中に2度くらいは尿意を催して目が覚めるのが心配で飲むのを止めました。熟睡して膀胱に悪影響が出ないか心配だからです。(次回先生の確認が必要ですが)
●実際には午後11時半ごろから午前2時ごろまでは眠れました。後の5時間は眠れずに考え事をしていました。別に苦にならないのが不思議です。2日目の昨夜は通常通り眠れました。午後9時半から午前5時半まで眠りました。トイレには2回起きましたがすぐ眠りについています。あと1時間半は考え事でした。(笑)
●副作用と思われるのは血圧が高くなったことです。朝起きた顔が紅潮していて、瞼の上も腫れぼったくなっていました。体温は35・7℃ですが血圧は上が147、下が105です。あきらかに高血圧です。当日から3日間続いています。少し様子をみなければいけませんね。今日は抜針日なので看護師さんに伝えようと思っています。
●それ以外では少しむかつきがあって食事の量が減りました。昨日は便秘ですから今日あたり1回は欲しいですね。できるだけしっかり食べて正常な状態に戻したいものです。生野菜も必須です。腸がすっきりすると体調は良く感じますからね。
■昨日から今日にかけて断捨離をしているのに本を買ってしまいました。アマゾンで篠田節子さんの中古本「インドクリスタル(上)」角川文庫版、同社のPR誌「本の旅人で連載が始まっている「失われた岬」が面白くてついつい。「影響力と説得のための革命的瞬間」ロバート・チャルディーニ作、中古本
「影響力の武器」は第一版から愛読し、仕事にも活かしてきました。新作なのと格安で出ていたのでクリックです。
●昨日本屋さんで、劇画「昭和天皇第3巻」を購入、半藤一利作、能條純一作画、これは興味深いからです。同時に故古今亭志ん生師匠の落語CD第一巻を衝動買いしました。落語の笑いは癌に効くと聞いていたのですが、私の笑いの沸騰点は高くてなかなか笑えません。故志ん生師匠ならどうでしょうか?
●早くブックオフにきてもらって120冊ぐらいは処分したいと思います。今月の本買いは打ち止めです。(笑)なんか意志が弱いですね。<完>
- 登録日時
- 2019/01/10(木) 11:41