【2019年02月の雑感④】病気備忘録&好奇心②
▲3色の葉ボタンの花。以前にもご紹介しましたが冷たい冬でも元気に咲いている花ですね。病院に行く途中の散髪屋さんの玄関で見つけました。3色の葉ボタンを1つの鉢植えで見事に育てておられます。美しい!流石散髪屋さん。
検査は現状維持でした&最近好奇心の刺激を受けたこと。
■良い文章の条件に1つの文章には1つのテーマという教えがあります。今回も2月の19日(火)の検査・診察と病状を報告すれば済むことなのですが、概ね現状維持でしたので特段お伝えすることが少ないのです。
●そこで私がこの2週間に好奇心の刺激を受けたことをつらつら書いてみたいとと思います。ご笑覧ください。
■まず病気備忘録から。抗がん剤治療を始めてから満2年を迎えました。とても長くて充実した(笑)2年間でした。始めて半年で痺れが出て末梢神経障害と診断されました。7月には薬を変更するということで入院しました。結果副作用がきつくて下痢、白血球の減少となりました。
●2か月半ほど休止して、10月下旬から再開しました。ここからは抗がん剤はアバスチンという薬が主力になり、イリノテカンの投与は休止となりました。以来10か月ほどは安定した治療生活が続きました。副作用で2週間のうち3日間ほどは食事が満足に摂れない期間が続きますがそれ以外は安定していました。
●昨年8月の後半に癌が少し大きくなり始めていたので主治医の先生は再度薬の変更を提案されました。それがサイラムザという比較的新しい抗がん剤だったのです。それが既報通り重篤な副作用を招き(ネフローゼ症候群)、10月中旬から11月上旬まで約3週間入院治療することになりました。
●この期間が一番苦痛でしたね。12月には完治しましたが、今も腎臓障害が再発しないか気に掛けています。おかげで本格的に減塩食事を摂る習慣ができてきました。
●今後の抗がん剤治療には私に使える薬が少なくて、選択肢が限られてきているようです。先生は新しい薬の遺伝子検査を実施中だと言ってくれていますが、楽観視はできないようです。(薬名はキートルーダというそうです)。尚オプジーポは今のところ胃がんや肺がんにしか使えないそうです。
●私の場合、薬を変更した後にトラブルが発生するようです。副作用ですから私の体に慣れ親しんだものでないと抵抗する作用が強いのかもしれません。しばらく使い続ければ安定期に入るようですが。新しい薬の投薬には慎重にならざるを得ません。今後の課題です。
●さて今回の診察結果ですが、血液検査、尿検査共に現状維持で特段変化はないそうです。マーカー検査は有りませんので癌の状態は22日(金)のCT検査の結果を待つしかありません。
●今回の投薬も前回と同じ内容ということになりました。白血球の数が気になり確認しましたところ3,900なので大丈夫とのこと。私は4,500ぐらい欲しかったのですが。なぜイリノテカンを追加しても以前の時のように白血球が減らないのか尋ねました。
●ところが先生は2種類投薬していた「フルオロウラシル」(500㎎)を止めているからですとおっしゃいました。手元の投薬処方箋が目に入ったので見ると確かに横線がひかれていました。「一昨年の7月の入院時にはフルラインで投薬したので白血球が大幅に減ったのだと思います。」ですって、内心、えっと思いました。今までも何度か質問したのに今回初めて教えてくれました。
●忙しいからというのは分かっていますが、問題がなければ事細かく説明はいただけないのですね。こちらが積極的に質問しなければ疑問は解消できないと改めて思った次第です。1年半かかりましたね。(笑)
●投薬の夜は眠れるかなと思って午後11時まで本を読んで眠ろうとしましたが眠れません。ステロイドのせいでしょうか?午前1時半に睡眠薬を飲みました。何とか明け方までうつらうつらと眠れたようです。ですが午前7時前に起きたところ薬のせいかフラフラしてこけそうになりました。
●昨夜はぐっすり眠れました。睡眠薬は服用していません。2度ほどトイレで目が覚めましたがすぐに眠りにつけました。ただ投薬当日5回もあった排泄が今日は空っぽか全く気配なしです。(笑)
●どうやら午前中で自宅投与のタンクが空になりそうです。昼一番に抜針で病院に行くつもりです。今日、木曜、明日金曜までは少し食欲が落ちて活力も下がるようですが土曜日には安定するでしょう。果物などやうどん、そばで凌げそうです。あとは早く暖かくなるのを待つばかりですね。ただ花粉が本格化するのでその対策が必要です。私の場合は毎年5月中旬まで続きそうですから。
■ここまでで十分の分量になりましたが、私の好奇心に刺激を受けたことを書いてしまいます。長くなるようですと次回につなげます。
●2月16日(土)に兵庫芸術文化センター管弦楽団(通称PAC)の2月の定期演奏会に出かけてきました。月に1度の遠出です。今回のメインはロシアのリムスキー・コルサコフ作曲の交響組曲「シェラザード」です。この曲のCDは持っておらず、急遽TSUTAYAに駆け込み、小澤征爾さん指揮の50年ぐらい前のCDを借りてマイクロSDに落として携帯電話で聴きました。
●その足で演奏会に出かけたのですが、やはり生演奏は格別です。たちまち音楽の世界に引き込まれ何も可も忘れて浸ることが出来ました。この曲はアラビアンナイトの千夜一夜の物語を題材に作曲されたものです。シェエラザードとはある令嬢の名前でした。
●彼女は才色兼備の女性で、時の国王が奥さんと奴隷が浮気をしていたのを知って首をはねます。それから国王は毎晩国の生娘を夜伽させてあくる朝には首をはねるという暴君になりました。ついに重臣の一人の娘に白羽の矢が立ちました。
●彼女、シェエラザードは話し上手で王様の扱いも見事でした。毎晩シンドバットの冒険など物語を千夜一夜に亘って話して聞かせるので王様は続きが聴きたくて、シェエラザードを生かしたままに過ごし、ついには王妃に迎えることにしましたというお話です。
●実にけしからんのはこの王様です。嫁に浮気された挙句に国中の若い娘を慰み者にして殺すなど言語道断です。(怒)それがシェラザードのおかげで平穏な日々を取り戻すなど許されますか(笑)音楽は美しくてドラマティックでしたが夢物語ですな。ファンタジーとして楽しむべきでしょう。
●もうひとつ話の続きが気になったということからの私の体験。それは柚月裕子原作の小説「孤狼の血」です。前回にも書きましたが、長らく休んでいたTSUTAYA通いが再発しました。ちあきなおみさんのCDが原因です。(笑)久しぶりなので観ていないDVD話題作が準新作になっています。
●今回は映画「孤狼の血」のBD(ブルーレイディスク)と小沢さんのCD、それにアメリカTVドラマの「ホームランドシーズン7」を借りました。いずれも興味深いのですが、今回は「孤狼の血」について。
●映画は昭和63年頃の広島県呉原市が舞台のやくざ抗争のお話です。(呉原というのは架空地名で呉市のこと)。主演は役所広司さんと松坂桃李さんです。2時間強の悪漢刑事のドラマですがなかなか見ごたえがありました。
●そこで私の本棚に眠っていた文庫本を開くことになったのです。2年ぐらい前に購入したのですが積んでありました。柚月さんの本では「盤上の向日葵」という単行本も積んであります。(柚月版砂の器というキャッチコピーで買いました)
●これが読みだすと実に面白い。映画を観たので筋書きも結論もは分かってしまっているのですが、小説の描写で読むと別世界のようです。柚月さんの構成、文章が上手いのでしょう。たちまち引き込まれています。ですが昔ほどの馬力はありませんから13章あるものを1章ずつ読んでいますがついつい2章ずつまで読み進みます。
●映画の筋書きと重なるのは当然ですが省かれた部分やウエイトの掛け方の違い、細部の描写などは小説の方が魅力的ですね。まだ4分の1ぐらいしか読み進めていませんが私の好奇心を刺激する小説です。
■私が柚月裕子さんに注目したのは彼女が東映のやくざ映画路線「仁義なき戦い」に触発され本書を書くに至ったということです。特に東映やくざ映画路線の『県警対組織暴力』【菅原文太主演】に着想を得たということです。
●私は若いころからやくざ映画が好きでした。外国映画では傑作「ゴッドファーザーシリーズ」は私の人生で一番数多く観た映画です。原作も読みました。日本映画では「仁義なき戦い」深作欣二監督、笠原和夫脚本の4部作と高田弘治脚本の完結編を数回見ました。飯干晃一さんの原作も読みました。
●そして掘り出しものと思ったのがシリーズとは別の作品「県警対組織暴力」です。菅原文太、松方弘樹の2大やくざスターの共演は見事でした。これらに共感を覚えて新しい物語を紡ぎ出す柚月さんのファンになりました。ここしばらくは愉しみが1つ増えました。好奇心を持つことは病気療養にも良いですからね。
しかし、いかに役所さんともいえども菅原文太にはかないませんね。
■タレントの堀ちえみさんの「舌癌ステイジ4」報道に驚きました。関西ではMBS系の平日帯番組(ちちんぷいぷい)の木曜日のレギュラーとして元気に出演されていたように思えたのですが、分からないものです。国民の2人に一人が罹る病気とはいえ、自分もがん患者の一人としてこれからの大変さが想像できるだけに複雑な思いです。
●幸いにも彼女の闘志あふれる生への決意を聞いて頑張って欲しいと思いました。頑張るといえば違うテレビ局の取材で地元神戸の喫茶店が紹介されていました。スマイルとかハッピーとかの店名だったか忘れましたが。ユニフォームに『顔晴る』というプリントをしたママさんやスタッフの働く姿が印象的でした。
メニューもスマイル&ハッピーが強調されていたように思います。一度訪れてみたいですね。「頑張る」より『顔晴る』の方が数段良いように思えました。
<完>
- 登録日時
- 2019/02/21(木) 15:31