【今月の提案①】▲写真は我が家のベランダに咲く今年最後の「月下美人」の開花前の蕾
自分たちで自店のチェックリストを創る
●店づくりのアドバイスをする時に業種・業態ごとにチェックリストを制作します。実際には現場でチェックするときにはそれをそのまま使いません。自分の眼でみて肌で感じたことも重要だからです。それでもこのチェックリスト制作は重要な準備なんですね。
●歌手の方が自分の歌を歌う時に歌詞を見ながら歌わないのと同じでしょうか?その場のお客様の反応や状況に合わせて歌われるには、歌詞を見ながらでは上手くは歌えないでしょう。
●では現場では何を行うかといいますと私の記憶力の限界を助ける為に、許可をもらって写真撮影を行ないます。拝見するポイントと手順は頭の中に入っていますが、実態の記憶とアドバイスの内容をあとで思い起こすにはメモだけでは不十分だからです。
●そんな私がお店の方にアドバイスするのは、その時の店の状況に対する良いところ、改善すべきところを明らかにしてその理由を伝えることです。理由がわからなければ、なぜ良いのか、改善すべきなのかが理解はできても納得ができません。納得できていなければ局面が変わったときに応用が利かないでしょう。
●そういうアドバイスを何度か続けるうちに、お店の方のレベルはぐんぐん上がってきます。視点=目の付けどころがわかればとても素晴らしい陳列演出やPOPコンテンツの制作をされるようになります。
●そこで、私が制作したものを参考にして、自分たちでオリジナルのチェックリストをつくることをお勧めいたします。そのときにお伝えするポイントは2つあります。ひとつめはチェックする要素を抽出するために、ロジックツリーのHOWツリーをつくっていただきます。
●例えば最近作りましたPOP&販売ツール制作チェックリストの場合、6つの大項目を出します。①内容 ②表現方法 ③サイズ ④貼付、配備場所
⑤量 ⑥期限です。この6つの分類をもとに具体的な項目を考えます。
●内容について、「お客様の選択の手助けになっているか」とか「お客様にとってメリットのあることを伝えているか」というような『目的=ねらい』を記述するようにします。目的を記述したものができれば、その項目のサブとしてその目的を達成する手段性のある項目を抽出します。
●表現方法では「デザインは美しいか」「レイアウトの構図は基本に基づいているか」「配色は適切か」「写真やイラストを使っているか」「セールスコピーの構成はお客様のこころを動かせるか」など手段性が強くなります。
●以下その他の項目ごとに考えていただきます。最初から数は多くなくても構いません。コツさえわかればいくらでも更新が可能だからです。目的は効果的なPOP、販売ツールを創ることです。チェックリストは手段です。もともと手段は柔軟に変更可能なものでなければいけませんね。
●このように「目的」と「手段」の関係を意識しながら『効果のある』POPや販売ツールを創るという目的にそったチェックリストを制作していただきます。そして、なによりも重要なポイントは自分たちの手で創るということです。人は最終的には自分のことは自分でやりたいという性質を持っています。
●それが自己中心にならないポイントは、お客様の反応や成果に基づいて検証し、見直すという心構えがあればチェックリストの内容は進化していくでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。<完>
- 登録日時
- 2009/10/14(水) 17:29