【2019年06月の雑感②】
▲須磨離宮公園の薔薇の花から:クイーン・エリザベス(赤色)とエリナ(黄色)です。まだまだいくつもの種類があるのを初めて知りました。時々紹介をします。今は紫陽花の花が綺麗ですからね。
期待外れの出来事いろいろ他年金問題
■6月10日(月)に神戸医療センターへ定期診察に行ってきました。抗がん剤「ロンサーフ」の再開のためでもあります。ところが血液検査の結果、薬の副作用で白血球が大幅に減っていました。正常値は3,500以上5,000ぐらい欲しいところですが、2,500になっていました。これでは投薬はできないということであと2週間は休止になりました。残念。
●抗がん剤の投薬を休めば白血球は復活するだろうということでした。私は体が楽になるので歓迎ですが、その間には癌も攻撃が無いので安心でしょうね。腫瘍マーカーの数値が前回より10ポイントほど下がっていたので抗がん剤の効果はあったのでしょう。こうして一進一退を続けるのだと思います。
●丁度来週には白内障の手術があるので良かったのではないでしょうか。先生も7月の手術の時も抗がん剤の投薬が重ならないように調整しましょうとおっしゃっていました。眼科の先生から何らかのアプローチがあった模様です。とにかく目が見えにくいので癌との戦いは休戦し、白内障の治療に専念したいと思います。今も殆どパソコンの画面の文字が読めない状態ですから。
●ということで私の期待外れその1は抗がん剤投与で白血球が減ってしまったことです。これでしばらくは人込みへ出かけるのは要注意です。感染症に罹らぬように手洗い、うがい、マスクの3つは重要です。入院時も要注意ですね。
■入院の準備中に暇つぶしには小説は読みにくいのでコミックお探していたところ「浮浪雲」111巻、112巻に行き当たりました。懐かしい漫画です。途中までは熱心に読んだものです。ですが今年の初めにブックオフに本を売った時に「浮浪雲」の蔵書もすべて出しました。
●20代の半ばから読み始めた記憶があります。40年ぐらい前でしょうか。懐かしいですね。久々に出会った雲の親分もお福さんも子供たちも昔のままで歳をとっていません。
時間の経過を無視したファンタジーコミックですね。
●ですがこの大長編漫画も第112巻で終了していました。アマゾンのマーケットプレイスで入手した2冊は綺麗で新刊のようでした。これは期待通りでした。早速111巻を読んで112巻は病院に持参することにしました。今週13日発売のゴルゴ13とともに暇つぶしに読むつもりです。
●ですが111巻を読む限り漫画のタッチも内容も期待外れでした。表現もスカスカな感じがして手抜きかなと思ってしまいます。内容も平凡で風刺が効いているわけでもありません。作者のジョージ秋山も老いたりか、それとも私がぼけて来たのか?でもなんか物足りないんですね。期待外れその2です。
■期待外れその3は、先週8日(土)に行ったPACの特別演奏会におけるモーツアルトの「レクイエム」の演奏です。指揮はユベール・スダーンさんです。久々に聴くので私の勘違いかもしれません。もっと厳かで神秘的な宗教曲だとおもっていたのですが。なんか管弦楽曲を聴いているようでした。
●音を鳴らし過ぎではないかと思ったのです。CDで聴いているともっと穏やかでひきこまれましたが、生演奏は聴きごたえはあるのですがなんか音を鳴らし過ぎてうるさく感じたものです。これは私の音楽脳が未熟なせいかもしれませんが期待外れでした。
●この曲を最初に聴いたのは映画「アマデウス」の挿入曲としてでした。映像があるので感じ方が違ったのかもしれません。私も冥土に行く前にはこの音楽を聴きたいなと思っていました。それだけに今回の演奏は当てが外れました。それでも約50分間、退屈はしませんでしたが期待は外されました。
■3つも期待外れが続いたので残念です。ですが今日14日(金)は11月16日(土)のPACの特別演奏会「ベートーベン&モーツァルト2人の協奏曲」の予約日でした。下野竜也指揮、河村尚子&菊池洋子の美人ピアニストの共演です。これはぜひ行きたいと狙っていました。
●良い席が取れるか不安でした。午前10時3分前から待機し、パソコン操作に集中しました。するとおよそ2分でアクセス成功。3分で特等席がゲットできました。これは期待以上の成果です。期待外れが続いていたので不安でしたがそうは期待外れが続かないものです。良かった。ささやかな喜びです。
●ぜひ当日まで元気に生きておられるように頑張りたいと思います。癌君にも増殖しないでゆっくり過ごしてくれたまえとお願いする次第です。(笑)
■人は期待以上のものを得られた時には幸せを感じるものだと思います。世の中の商品、体験場もお客様の期待を超える努力をされていると思います。ですが時々ミスマッチが起こります。それは価値の提供側に責任があるととらえるべきです。
●期待する方も結果が期待以上なら満足なんですが、期待以下の時にあまりがっかりしない方が良いでしょう。生命財産にかかわることなら一大事ですが、あまり影響がないなら「まあこんなものか」とか「しかたがないな」とやりすごすことも必要です。(但し、最近の事件、事故などで家族が亡くなられたり、大けがをされたりした方々には通用しない考えですが)
■最近嗤って観ているのが100歳まで生きたら年金生活では2,000万円不足するという金融庁の報告に関する蓮舫さんや辻本さんの騒ぎっぷりです。いつものことながらこの報告書の目的(狙い)は何かが置き去りにされ、すべて平均値だけで話をする愚かさです。
●人生100歳の時代など大した意味がないことです。老人はもっと早く死んで若者に迷惑おかけ無いことの方が大事です。そして誰もが同じ条件で生きていないのですからひとそれぞれです。貯金がある人ない人、家族がいる人いない人、
収入源の違いなど違うのは自明のことです。
●それを平均値だけで大騒ぎするのは野党の愚策です。政府も逃げないで報告書のねらい、平均値では意味がないことを丁寧に説明し、どのように改善していくかの方向性だけを示せばよいのです。
●金融庁のねらいは国民に資産形成に金を使えということなんでしょう。貯金ばかりで金を動かさないのではなく投資などのリスクにもカネを回せという意味だと解釈しています。
■吉田繁治氏が有料版のメルマガでこのことに触れています。信頼する専門家の意見ですので最新号の前説のみ転載します。参考にしてください。興味のある方は有料版を購読してください。<完>
以下前説の転載です。
●おはようございます。公的年金では、年金世帯の生活費が、1か月で
約5万円不足し、65歳のあと30年生きると、「5万円×12か月×35年=
1800万円」は、不足するとした金融庁の報告書が、与野党の政治問題
になっています。
年金問題は、政治のアキレス腱です。
2007年から、5095万人の公的年金保険の、厚労省の納付記録に漏れが
あることが発覚しました。同年7月の参議院選挙では、当時の安倍首
相が「消えた年金問題は、1年で解決します」と訴えましたが、連立
政権は、参議院で過半数を失い、政策決定に困難をきたした「衆参ね
じれ国会」になっています。(注)第一次安倍内閣は、小泉首相のあ
と、2006年9月から2007年9月までの1年。
選挙責任と体調からの安倍首相辞任のあとも、福田首相、麻生首相と、
「1年で替わる短命政権」になっています。
2年後の、2009年には、衆議院選挙でも、同じ年金問題から「自民・
公明」は、多数派から陥落し、民主党政権(鳩山首相)が誕生しまし
た。民主党政権は菅・野田首相と2011年8月まで、同じ「年変わり内
閣」で続きました。
2011年の3.11には「東日本大震災」が起こり、15メートル級の津波に
よって福島第一原発(福一)が全電源の喪失になって十分な冷却水を
いれることができず、水素爆発の事故を起こしています。
「福一」では、放射性物質の漏洩から、年1ミリシーベルトの被ばく
限界を守るには、「東北・東日本・関東(東京まで)」の、最大では
5000万人が避難の必要があると政権内部では報告されていたことが、
明らかになっています。菅首相は、「避難は実行不能」としてこれを
握りつぶしたという(NHKスペシャル)。
当時の、原発の状況を逐一、国民に報告し、「メルトダウンはない」
としていた官房長官は、立憲民主党首の、枝野幸男氏でした。8年後
の現在も、福一の廃炉とは何か定義がなく、近づけない原子炉に、冷
却水を入れ続けているだけです。
(注)解体には、30年から40年かかるという観測があるだけです(専
門家の意見は対立しています)。当時、「メルトダウンしている。放
射性物質の拡散がある」という状況報告のメールマガジンを、毎日送
りましたが、東電(TEPCO)と推察されるメールアドレスから「そう
いうメールは、出すべきではない」という警告を受けました。あとで、
政府も「早い時期からメルトダウンしていた」と認めています。
野田政権(民主党・国民新党の連立)は、2012年8月に、自民・公明
と、民主党の三党合意(12年6月)から「消費税10%」の法案を成立
させたあと、11月には衆議院の解散を行いましたが、大敗北して、自
民・公明の連立に政権を譲っています。安倍内閣は2012年12月からで
した。
前回の年金問題は、厚労省による、年金保険の納付記録のズサンさか
らでした。今回は、金融庁の「65歳以降の30年では、1800万円から
2000万円の生活費が不足する(家計の赤字)」の報告書からです。
自民党が下野することになった年金問題に、政治家は敏感です。政治
家にとって、「国民のために何を行うか」より「政党助成金を含んで、
高い実質報酬(年1億円平均)を得られ、権力が付帯する国会議員で
ありつづけること」が最優先の目標になっているからです。選挙区に
帰った政治家は、「自分には2000万の預金がない」と訴えられたとい
う。
公的年金の受給者数は延べで7242万人(国民年金3396万人+厚生年金
3409万人+公務員共済保険等467万人:2016年度)です。国民年金は
基礎年金であり、二階建ての厚生年金等と二重に受け取るので、実人
口では4010万人(男女)が受け取っています。国民の1億2600万人の
うち32%、つまり3人に1人は、すでに年金受給者です。
年金問題が、選挙での政治問題になると、政権を左右することになる
のは、この4010万人というおおきな受給者数から、わかるでしょう。
実は、ソ連崩壊の主因は、のちの1000倍のハイパーインフレで「無効
になった年金と公務員報酬」からでした。公務員報酬が無効になって、
農家手伝いのアルバイト(食料の現物支給)で食べる必要が生じ、軍
と政府の役人が仕事をしなくなったのです。インフレによる食糧難
(食べるパンがない)が直接の原因で、民衆の蜂起を促したのです。
「パンがなければ、ケーキを食べれば」とマリー・アントワネットが
言ったというのは、後世の作り話ですが、「生活難と飢え」が、フラ
ンス革命でも導火線でした。
日本の戦後の、食糧難からの「疎開」のような現象が、国中で起こっ
たのです。あらゆる国家(政治体制)は、公務員報酬が払えなくなる
と、潰れます。
末期の江戸幕府は、公務員である武士の俸給が払えなくなり、金の小
判に、日本に豊富だった安い銀をまぜて改鋳し、通貨量を増やし、イ
ンフレを起こしていました。
・武士階級の生活苦が、
・黒船による植民地の恐れと重なって、
薩摩・長州の、下級武士の叛乱を引き起こしたのです。
国民は、経済的に豊かになり、これからも一層豊かになると思えるな
ら、政府に対して叛乱しません。
中国の民主化運動だった「天安門事件(1989年6月4日)」のあと中国
(共産党独裁)が、
・外資と技術を導入した開放経済と、
・通貨を切り下げた人民元のドルペッグ制(1元=11円)により「経
済成長」に奔走した理由が、これです。
中国の経済成長が急速だったのは、安定して安くした元により、外資
と技術を導入したからです。現在でも、中国の輸出の50%は、外資系
の企業が担っています。香港、台湾、ドイツ、フランス、日本、米国
の企業の中国進出です。
1980年の1元は、公定レートで100円~150円でした(闇レートもあっ
た)。1990年には30円でした。2014年からの人民元の、「国際的な通
貨の交換を確保するためのドルペッグ制」の導入とともに、1元を11
円に切り下げたのです。現在は15.7円です(19年6月)。1994年のあ
との25年で1人当たりの所得は、30倍に増えています。
野党は、「年金問題は、7月の参議院選挙に役立つ」と、突然いきり
たち、麻生財務大臣は、「不正確で、政府の政策方針に沿わない金融
庁の報告書」は受け取らないとしました。フランス革命も同じです。
(注)安倍首相は、年金しか収入がない65歳以上の世帯では、月5万
円が生活費の赤字になる(=預金取り崩しになる)という報告書は、
「不正確で、表現を誤っている」と答弁しました。野党は、「政府が
正確な数字をもたねば、金融庁の報告が不正確とは言えない。その正
確な数字は何か?」と追加質問すればよかったのです。政府は答える
ことができなかったはずです。
金融庁は、収入が年金だけの世帯(モデル世帯)では、平均で月5万
円の生活費が不足しているという、家計調査の事実を報告しています。
報告書をまとめた審議会は、学者と金融機関のエコノミストから構成
されています。調べると、当方が論文を参考にするエコノミストの池
尾和人氏(主領域は金融論)もメンバーでした。
公的保険から約70%を支給している医療費と並び、財政赤字(30兆円
から40兆円/年)の主因になっている公的年金の問題で、
・野党がいきり立つのも、
・自民党が「なきものにする」のも、等分におかしなことです。
両方とも、「年金財政の赤字」、つまり、個人が積み立てた保険料収
入を上回る、国債発行による年金支給という事実を、無視した上での、
財源の根拠がない立論だからです。
65歳以上になると、急に増える医療費も同じです。65歳以上の医療費
は、病院にいない健康なひとびとを含んだ1人あたり平均で67万円/年
です(夫婦2人で134万円/年)。
一方、65歳未満の全世代の平均は、1人あたり17万円/年です。65歳以
上になると、生活習慣病とがんため、1人あたりで、51万円ふえます
(2008年)。なお厚労省の、この統計は、10年遅れものしか公開され
てはいません。金額は最大でも、10年で15%程度しか変わっていない
でしょう。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/08/kekka5.html
本稿のテーマは、「2%のインフレターゲット(リフレ派)」に強く
関係する、「年金・医療費の赤字支給(財政支出)」の問題を、ひろ
くとらえたものとします。
2013年4月から始まった「異次元緩和」は、日銀が通貨を増発して、
国債を買い取り、政府財政の不足資金をファイナンス(債券の買いと
いう形での、日銀の貸付)するものです。
日銀による国債の買いの形をとった「異次元緩和」が行われた原因は、
2000年代の、高齢化(=退職者の増加)から、増えない所得からの国
民の貯蓄率が数%台に低下して、構造的な財政赤字のため1年に30兆
円から40兆円は増発しなければならない国債(政府の利付き借入証
券)を、金融機関が、買い続けることができなくなったからです。
2015年には、金融機関の国債買い増しの限界がきて、国債の価格が下
がり金利が高騰していたでしょう。(注)拙著『国家破産(2011円発
行)』では、その、数値的な根拠を述べています。
日銀は、「日銀の負債である通貨を増発して、政府の負債である国債
に振り替える異次元緩和」により、
・2015年からの可能性があった財政破産(=政府の支払資金の不足)
を、
・マイナス~ゼロ金利によって金利が収入である全金融機関が赤字に
なるときまで、「先送り」しています。
いや、金融市場(=国債の店頭売買市場)が日銀に従ったため、「先
送りができている」というのが正確です。
問題の渦中にいる麻生財務大臣は、報告書が出された直後(6月4日)
には、ぶら下がりの記者に向かって、「君たちは、100歳まで考えた
ことはないだろ。自分が生まれたときの平均寿命は47歳だったんだ。
今度、金融庁の審議会は、100歳までのことを考える報告書を作っ
た」と自慢げに発言していました。
7月の参議院選前なので、議員はほぼ全員が週末に「選挙区帰り」を
します。政治家を囲む、支持者の会合に集まるのは、ほとんどが、
60歳以上のひとたちです。
「自分は2000万円の預金がないが、どうしたらいい」という声が多数
からあがったので、驚いて党にもどり「大変なことになっている。な
んとかしてくれ」となったのです(月曜日)。
最初、審議会が総会を開いて、問題になった「報告書」を取りさげる
案が財務省から出ました。審議会が総意として作ったので、それは無
理だということになったのです。事態は急転直下し、麻生財務大臣
(金融も担当)は二階幹事長から強い進言をうけて窮地に立ち、「報
告書を受け取らない(なかったものとする)」としたのです。
大臣が、審議会の報告書をなかったものとするという事態は、政治史
上はじめての異常事態です。発言が二転三転した、麻生大臣が、自民
党から相当に追い込まれたのでしょう。
「誤解と不安を与えた報告書は、受け取らない」という、非論理の論
理でした。安倍首相が言ったように「正確ではない」とすれば、政府
が知っているはずの「正確なもの」を出さねばならなかったからです。
このため、苦肉の方法として、「国民に、生活の将来不安を与える報
告」なったことを、それが事実であり正確ではあっても、不安を与え
るから、選挙前の公開は、不都合にしたのです。政治家は、選挙で政
治家になるので、「政治家でありつづける」のに対して不都合になる
恐れが強かったからです。
しかし、年金について「報告書で表現された事実」は、報告書をない
ものにしても、消えるものではありません。
福一の原発のシビア・アクシデントのとき、直後の「燃料棒のメルト
ダウン、メルトスルー」という事実を、「国民に不安をあたえるだろ
う」という判断から、嘘も方便として状況説明を重ね、「ないもの」
にした政府(菅首相、枝野官房長官)と東電とおなじ、態度です。メ
ルトスルーは生命に、年金は65歳以降の生活にかかわります。報告書
を消しても、年金が増えず、65歳以上の、必要生活費が減ることも
ないからです。<以上-前説全文>
- 登録日時
- 2019/06/15(土) 10:52