【2019年09月の雑感②】
▲彼岸花。今年は近所の散歩道で見つけることが出来ませんでした。昨年の写真です。朝日新聞の朝刊で「折々のことば」というのが1面で毎日掲載されています。その中から『ヒガンバナは、花は咲いても実はならない。繁殖は地下茎でおこなう。だから昆虫に受粉を助けてもらう必要がないのに、立派な花を咲かせ、そこを訪れる蝶に花蜜を差し出す。植物はさまざまな動物に喰われ放題。人にように「我利我利亡者」ではなく、「のびのびと」動物たちを養っていると生態学者は言う。随想「曼珠沙華」今西錦司』
NHK名曲アルバムの愉しみ
■9月になりようやく兵庫芸術文化センターの新年度クラシック音楽コンサート(定期演奏会)が始まります。3か月ぶりなので楽しみです。今年のオープニング演奏会は佐渡裕音楽監督の指揮によるブルックナーの交響曲第8番です。
来年6月まで9回の定期演奏会があります。私にとっては最後になるかもしれませんのでじっくり愉しみたいと思います。
●演奏会に行けない時はNHK‐BSでプレミアムシアターの演奏会の録画を行い愉しんでいます。同時に毎日朝5時55分から5分間放送される「名曲アルバム」を録画して視聴しています。名曲アルバムは長寿番組のようです。以前はレーザーディスク版を購入して愉しんだものです。
●現在はブルーレイプレーヤーを購入してから月曜から金曜まで毎日録画しています。再放送も含まれますのでそれは消去しながらため込んでいます。ハードディスクがすぐに満杯になるので40曲ぐらいでディスクにダビングして保存しています。
●今月も7月、8月、9月分をダビングしながら改めて「名曲アルバム」の魅力について考えてみました。要約すると3つにまとめることができます。
そのひとつは、5分間と短く要約された音楽ですがバックに流れる「美しい映像」が魅力的です。
●訪れることのない作曲家にゆかりの外国の美しい街並み、建物や景色が満喫できます。
モーツアルトが青春時代に訪れ過ごした街。ベートーベンが散策した森の散歩道、バッハが勤めていた音楽院、ショパンが招かれた伯爵の家など曲の数だけ新しい映像が見られます。
●映像の撮り方も学べます。全景、部分、細部、高低と分けて撮りながらうまく構成されています。映像の構図を学ぶには良い教材です。
●ふたつに「作曲家にまつわるエピソードを知る」ことができます。故志鳥栄八郎さんが書かれた名著「名曲ものがたり」(講談社α文庫)の映像版ですね。
その人となりが自分なりに想像できます。
●概ね作曲家にまつわる恋愛物語が多いようです。最近で印象的なのは世界的なバイオリニストのパガニーニ作曲「バイオリン協奏曲 鐘」です。この天才の好色で破滅的な生き方はある種の人間らしさを感じます。最後は哀れなのもいいですね。(笑)尚この曲の主題を使って作曲されたリストのピアノ曲「カンパネルラ」は日本ではフジコ・ヘミングさんなどによりよく演奏されています。
●3つめは「数多くの未知の音楽に触れる」ことができることです。私は若いころから50年ばかりをかけてレコードやCDを集めてきましたから殆どの曲は蒐集したと思っていましたが、なんのなんの、まだまだ知らない曲に出会うことがあります。
●それにクラシック音楽以外も時々とりあげられます。最近ではクイーンの「ボヘミアンラプソディ」が放映されました。その成り立ちが短時間でわかります。
他にもデンッア作曲の「フニクリ フニクラ」という曲を聴いたときは聞き覚えがあると感じました。
●「ヤッホー、ヤッホー」という歌詞と音楽は子供のころに聴いた覚えがあります。南イタリアのナポリにあるベスビオ火山にまつわる逸話が紹介されます。古代都市ポンペイがおよそ2,000年前に噴火で消滅したこと。その遺跡が発掘されつつあること。さらに1,880年に世界で最初の登山鉄道が敷かれそのPR用のCMソングが「フニクリ フニクラ」だそうです。
●鉄道もまた噴火で廃止されたのですがこのCMソングだけは人気で愛され続けているようです。やがてクラシック音楽になるのでしょう。ナポリの人々の火山の噴火の危険にさらされようと明るく生きる姿が紹介されます。音楽をバックに「今日を楽しく生きよう」というメッセージが心に残りました。
●わずか5分間ですが朝の体操のように視聴覚から刺激を受けています。目覚めに音楽は効果的だと思います。私はそう思って毎朝「名曲アルバム」の魅力を愉しんでいます。
■PACの定期演奏会を9月14日(土)に愉しんできました。ちょうど抗がん剤を飲み終わった日なので少し副作用が心配でしたが異常ありませんでした。ホールは満員で今期も盛況でした。私の新しい席が右側ゾーンなので懸念していましたがまずまず問題はありません。
●相変わらず同世代の方々が多く若い人はチラホラです。クラシック音楽は私も含め高齢者が客層の中心ですね。(笑)皆さん長生きされるから主催者側はしばらく安泰ですね。
●今回の演奏曲は90分の交響曲で長かったですね。通常は30分から50分の曲が2曲で間に20分間の休憩があります。今回は休憩なしの一気の演奏です。途中、咳をする人も多く耳障りでした。私の廻りではため息がよく聞こえました。俯いている人もチラホラ。
●佐渡裕さんも熱演の指揮でした。PACのメンバーも今回から大幅に入れ替えです。(毎年3年生が卒業していく制度ですから)でもよく訓練されているのでしょう私の耳には良い演奏に聴こえました。ただ同じ楽器を演奏されている方の動作を見比べているとその力強さに差がある人が見えました。
●大勢の中に一人や二人、未熟者が居ても吸収されるでしょうがみんながベストを尽くさないと最善の音楽は再現されません。佐渡監督も大変でしょうね。彼らを鍛え上げながら質の高い演奏を導きださねばなりません。これからどのように成長させていかれるのかも楽しみです。
●私は事前にこの曲をCDで予習をしてから聴きに行きましたので退屈はしません。交響曲はほとんど4楽章で構成されているので時間配分も頭に入れて行きます。今回は私にとっては第3楽章からが聴きどころです。背筋を伸ばして聴き入りました。準備のおかげで十分に愉しめました。
●「予習をする」「準備をする」は何事にもより良い結果を得るための条件でしょう。あらためてそう思いましたね。
今シーズンも楽しみな曲目が数多くあります。できるだけ長く愉しみたいなと思っています。<完>
- 登録日時
- 2019/09/25(水) 16:02