【2019年11月今月の提案①】体験から学んだ私のマネジメント論‐序
▲アケボノソウ(曙草)は9~10月に咲くリンドウ科の花。山地の湿原や沢沿いに生息する越年草。花言葉は『前向き』。茎の上部の葉の脇で枝分かれをして、その先に花を1つずつつける。花の色は白ないしクリーム色である。
以上ネット情報から。写真は知人からの贈り物です。
まとめは「7・5・3の法則」で行う
■私の体験から学んだマネジメント論を書こうとしていろいろ思案しています。
どのようなフレームワーク、パターンで書けばまとめやすく伝えやすいかと試行錯誤です。最初にこれを書こうと思った時にマーケティングは「誰に・何を・いかにして」と考える。マネジメントは「知って・掴んで・動かす(動く)」と書いた記憶があります。(2019年2月と2017年12月に本欄に掲載)
●このほかにもドラッカーの「仕事ができる人の習慣」を今年1月に再掲載した時もその中身は、冒頭にドラッカーの定義する「成果とは」を3項目にまとめ、「習慣」を5項目にまとめて書き出しています。
●物事を分かりやすく伝えるには1つで言い切ればそれに越したことはありません。しかし少し複雑な内容を伝える時は、だらだら書き綴るのではなく簡潔に3つ、5つ、7つにまとめて提示してから一つずつ詳細をのべるというパターンが効果的だと思っています。
●どなたに教わったかは忘れましたが、コンサルタントを仕事にしてからはこのことを意識してレジュメやテキストを制作してきました。しかし最初はまとまりがなく研修の仕事をいただいていた代理店の担当者を困らせ、助言をいただきながらマスターしていきました。今から思えば恥ずかしい限りです。
●「内容」はとても大事ですが「伝え方」も大事です。ここ数年BSテレビで「放送大学講座」を観ることが多いのですが、素晴らしい内容も講義される先生の話し方、伝え方で伝わり方が大きく違います。なかなか上手な先生にお目にかかることはありませんが。(笑‐生意気ですね)
■そこで本論に入る前に分かりやすい伝え方は内容を「7・5・3の法則」で伝えるということを提案します。まずなぜ7・5・3でまとめると伝わりやすいか。経験則ですが奇数の方が頭に残りやすいからです。(ぬるい根拠ですが、確かもっと明確な理由があるはずです)
●これを書いている途中にNHK‐Eテレの高校講座「日本史」「世界史」の今週分を観ました。両方ともだいたい毎週見ています。わずか20分ずつの番組ですがとても興味深く分かりやすい内容です。そして伝え方が参考になります。
●日本史の方は毎回のテーマを「3つのビューポイント」(ビューとは観点の意)
として伝えてくれます。例えば今回は「江戸時代の経済と産業の発達」がテーマでした。そして3つのビューポイントは①三都の繁栄 ②交通の整備・発達 ③産業の発達でした。(元禄時代から享保の改革のころです)
●そして①の解説。江戸(人口約100万の世界有数の大都市)、大坂(人口約42万人)、京都(約34万人)に三都の特徴と役割が解説されます。詳細は省略しますが当時の江戸が世界有数の大都市であったというのは興味深いですね。ちなみに当時のロンドンは約86万人、パリは55万人でした。
●②については海路の発達と五街道の整備、脇街道の整備と宿場町の成長が学べます。モノと人との移動が盛んになったことが分かります。そして➂では産業の発達として、農業における道具の開発、それを造る手工業の発達、漁業の手法の発達などが紹介されます。
●そして産業の発達に伴い貨幣経済が全国に浸透して金融業が発達します。金、銀、銅貨の出現です。ちなみに金小判1両は現在の価値で約10万円だそうです。銅銭は1枚1文で、4,000枚で1両とのこと。だとすると1文は25円。時代小説を読む参考になります。(笑)
●私には分かりやすく楽しい番組でした。それは「3つのビューポイント」に分けてまとめて伝えてくれたおかげです。7・5・3の中でも「3」は特に記憶しやすい分類です。
●繰り返しますが私のマーケティングは「誰に、何を、いかにして」と考えるやマネジメントは「知って、掴んで、動かす(動く)」は何年も忘れることがありません。そういえば吉野家の「早い、旨い、安い」も記憶に残っています。(笑)
いずれも3つの言葉で構成されています。
●では5や7はどうでしょう。これはまとめやすいのですが覚えやすくはありません。手帳などに書いておくのに適しています。詳細はそれを見て思い出せるようにキーワードにまとめるのがコツです。5は先に書きました「ドラッカーの仕事ができる人の習慣5項目を参照してください。念のため掲載しておきます。
【仕事ができる人の5つの習慣】
①常に自分が何に多くの時間を取られているかを知ること。(時間管理)
②常に自分以外の外部に役立つことに焦点を当てること。
➂常に自分ができること、すなわち強みの上に仕事を組み上げること。
④常に自分の能力のうち、優れたものが何かを知り、その領域で成果を上げることに集中すること。
⑤常に成果に焦点を当てて意思決定をすること。
●最後に私が7つにまとめた事例を1つ紹介します。
【わかりやすくする7つの方法】
①翻訳する。(お客様にとってのメリットに置き換える、FABE分析法など)
②分類する。(共通する要素でくくって分ける、商品分類、売場分類など)
➂分解する。(Q&Aのように具体的レベルに分解する、ツリーなど)
④比較する。(共通項での比較やクロスレビューのように1つのことを多面的に提示する)
⑤図解する。(写真、イラスト、図表、マインドマップなど)
⑥事例を示す。(具体例、成功&失敗例など)
⑦理由を示す。(提案には理由を、意見には根拠を)
●これらの事例は実際に私が学び、考え出したものです。ですからキーワードだけで詳細を語ることもできますし、具体例をあげることができます。ですからこれからまとめようとしている「私の体験から学んだマネジメント論」もできるだけこのように「7・5・3の法則」も活用しながら書いてみたいと思います。
●それ以外にテキスト制作で使ったパターン、「①言葉の意味(定義)、②ねらい(目的)、➂具体的な手段・方法、④事例の提示、⑤注意点ややってはいけないことなど」を構成のパターンとして頭のすみにおいておきたいと思います。ですが時には形に囚われず自由に思いつくまま書くかもしれません。論文を書くつもりではありませんし書けないので。(笑)序章はここまで。以降もご笑覧ください。
■ここまで書いて調べ物をしていたらある方の意見が目につきました。「マネジメントなどというものは権力者が自分の利益を得るために多くの人をコツコツ働かせるためのものだ。」「団塊の世代(私もそうです)はそれを実践してきた象徴だ。彼らはそれに対して疑問も持っていない。」「経営の世界ではマネジメントはいかなるものかということは歴史的に証明されている。権力闘争(パワーゲーム)での生き残り方のHow Toが支配しており、表面上のマネジメント・ノウハウは普通の人々を権力構造のために働かせるためのものだった。」
●全面的には賛同できませんが、そういう考え方もあるというのを忘れずに振り返りたいと思います。<完>
- 登録日時
- 2019/11/01(金) 11:24