【2019年11月今月の提案②】体験から学んだ私のマネジメント論‐第2回
▲須磨離宮公園の薔薇の花シリーズです。このシリーズにはいろんな薔薇の花を紹介していこうと思います。折角写真を撮りましたので。今回はパスカリです。写真をご覧ください。
組織開発行動と脳力開発の教え
■私の体験から学んだマネジメント論を書こうとしていろいろ思案しています。
序論を書きましたがさて次はどうしようかと。過去の本欄をチェックしてみましたが、2015年春に癌に罹る以前はけっこう書いていますね。いまさら屋上屋を重ねることはないなと思いつつ、暇だからま、いいかと思い直している今日この頃です。ご笑覧いただければ幸いです。
■私の仕事人生のターニングポイントになったのはコンサル会社ビーコンが主催する体験学習「組織開発能力啓発講座」への参加でしょう。1981年7月12日から18日までの6泊7日でした。場所は山中湖ホテル。富士山が綺麗に見えていたのを記憶しています。もう38年も前のことですね。
●その記録はA4ノート2冊にまとめられいまだに捨てられず保管しています。自費で参加しました。相当な向上心と気合が入っていたのですね。33歳、長男がまだ3歳の頃でした。この経験がその後の仕事人生に大きな影響を与えたことは間違いありません。
●サラリーマン時代には3度研修の他流試合に参加しています。組織開発能力講座以外にも名前は忘れたのですが「地獄の特訓」に似たようなものでした。これは自衛隊上がりの方々が主催されていたと思うのですが、あまり良い記憶がありません。軍隊生活のようなモーレツ訓練で、唯一気が滅入って早く帰りたいと思った合宿研修でした。
●もうひとつは故伊櫻淑親先生が主宰されていた「仕事研究集団のつくりかた」合宿でした。これも4日か5日の合宿で秩父の山奥まで出かけました。これらの2つは会社からの派遣で会社の費用で参加しています。仕事研究のほうも学びたいという主体性がありましたから打ち込みました。そしてその後の仕事人生にも大きな影響がありました。今も伊桜ワールドには共感を覚えています。
■ビーコンの組織開発能力啓発講座の学びは本欄の2012年6月から7月にかけて掲載しています。やはりマネジメントを語る時にはここで学んだ5つのスキルが有益でしょう。ただマネジメントについての全体像はドラッカー教授の名著がありますので(抄訳マネジメントを参照されたし)それを学ばれるのは基本かと思います。
●ですが私は体験学習で学んだことを基本にしてきました。5つのスキルとは
①パーソナルスキル ②インターパーソナルスキル ➂グループスキル ④インターグループスキル ⑤オーガニゼイション・ビヘイビア・スキルの5つです。
これらは個から始まって対人、集団、組織へと広がる【空間軸】でとらえられたスキルと言えるでしょう。
●もう一つ【時間軸】というとらえ方があります。初心者、中級者、上級者(会社では平社員から主任、係長、課長、部長、事業部長、専務、社長という流れ)
あるいは修行の時代、独り立ち、部下を持つ時代、組織に影響を与える時代などの流れです。
●パーソナルスキルとは個人が有するあらゆる能力分野のことです。知識、技術、体力の各分野における様々な能力が対象になります。この体験学習では「対人関係スキルと思考力」に重点が置かれていました。印象的だった実習は自己洞察力(内省力)と自己表現力です。
●インターパーソナルスキルとは1対1の対面における対人スキルです。コミュニケーションスキルが中核になります。自己から離れ相手に対する洞察力、感受性などが問われます。「他人と話し合いがうまくできるか否か」とも言えます。
●グループスキルとは小集団をうまく目標に向かうチームにできるか否かの能力です。ここではリーダーシップ、フォロワーシップ能力について問われます。
またチームマネジメントのコツを学ぶ必要があるでしょう。
●インターグループスキルとは複数のチームを管轄する能力です。個々のチームでのかかわりから複数のチームをうまく競わせるとか、学ばせるなどを通じて複数チームの目標達成や成長を促す能力です。
●オーガニゼーション・ビヘイビア・スキルとはまさに組織全体を率いる能力です。(日本語では組織行動能力でしょう)経営トップマネジメントに求められます。事業の方向性を示し、そこに向かって組織全体を率いる能力です。そして事業の成長発展を通じて社会に貢献し、「持続可能な組織」にする能力です。経営陣に必要な能力でしょう。
●私はこの研修で学んだことを活かし、会社で別のコンサルティング会社の支援を受けながら「戦略的全員経営」推進の事務局を担当しました。30代の私にとって1大イベントでした。しかし結果はあまりうまくいかず挫折することになります。それはまた別の機会に書ければ書きましょう。
■私の体験談はここまでにして本題の脳力開発について基本をお伝えします。
序論で書きましたように3つと5つにまとめて記します。わかりやすく覚えやすいという事例にもなります。
●脳力開発とはパーソナルスキルですがインターパーソナル、グループスキルにも活用できる力です。興味を持たれたならぜひご活用を!
●脳力開発とは城野宏先生のもと、私が指導を受けた平野耕一郎先生による体系的な教えです。以下基礎編のエッセンスのみお伝えします。尚現在も後継者の方が株式会社能力開発センターとしてその普及に努めておられるようです。興味のある方はネット検索をしてください。テキストもアマゾンで販売されているようです。
●以下は私のメモノートから少しアレンジしてまとめたものです。脳力開発の『基本的な要素』は3つあります。
①心の充実→精神的姿勢の確立【これがとても重要だと思いました】
②思考力の向上→思考方法の整備【対人力を加えたいですね】
➂知識の拡大・充実→実務知識の拡大【テキストでは実際知識です】
●もうひとつ『3大行動指針』があります。
①行動せよ
②整理せよ
➂繰り返せ
●私は特に3大行動指針を肝に銘じていました。覚えやすいですからね。
特にコンサルタントになってからは有効活用しました。
●基本的な要素をもう少し具体的に見ていきましょう。
①心の充実(精神姿勢の確立)
1、自分で主体的にやる姿勢をつくる。
2、いつも進歩向上をめざす。
3、他人の利益も図る。
②思考力の向上(思考方法の整備)
1、常に中心点を明らかにし、中心、骨組みで考える習慣をつくろう。
2、常に両面共に考え、どちらが主流かも考える習慣つくろう。
3、立場・観点を整理し、多角度から考える習慣をつくろう。
4、確定要素から出発して考える習慣をつくろう。
確定していない要素はもっと調べるとか実際にやってみることで確定に
近づける努力をする。先入観や評価的な意見はできるだけ排除する。
私はここの箇所を【思考力&対人力の向上】と修正をしています。
1、相手の話をよく聴く。但し内容は事実なのか気持ちなのか意見なのかを
区分けして聴きとる。→知って
2、相手の意図を掴む→掴んで
3、相手にやってもらう行動と自分が行う行動を区分する→動く&動かす
➂知識の拡大・充実
1、知識はすぐに使う習慣をつくろう。
2、できるだけたくさんの物ごとに首を突っ込む習慣をつくろう。
3、できるだけたくさんの人に接触する習慣をつくろう。
●いかがでしょうか。実際の問題解決の場や仕事を進めていくときに参考にしてください。時代を超えて有効な考え方、ノウハウだと思います。ノウハウは自分が生きていくうえでの武器です。わがものとして使いこなすものの数が多いほど成果は上げやすいと思います。
■最近トイレで城野宏先生の「三国志の人間学」と「戦略三国志全3巻」をチラホラ読んでいます。ここでまとめた原理を、三国志を題材に日本の戦国時代の話など交えた解説本です。講談を聴くようで面白いです。BS12の中国テレビドラマ「三国志」もだんだん面白くなってきました。昨日書いたように読書とテレビが連動するとますます好奇心が満たされます。(笑)<完>
- 登録日時
- 2019/11/08(金) 09:34