【2019年11月今月の提案⑤】体験から学んだ私のマネジメント論 第5回
▲須磨離宮公園の薔薇シリーズ。今回はプレイガール。小さな女の子が「プレイガールやて」と言いながらお母さんに話しかけていると、お母さんは「そうやね、そんな顔をしてるね」と言いながら足早に通り過ぎて行きました。私は
思わずもう一度見直しました。「いいじゃないの、魅力的だなと」(笑)
課題解決はSEE・THINK・P・D・C・Aで
■初めにこれから書くマネジメント論を次のフレームワークを念頭に書きます。
①言葉の意味(定義らしきもの) ②目的や理由 ➂具体的な手段・方法
④実例 ⑤注意点、今後の課題等。
■仕事の目的・目標が明確になれば次に必要なのは日々の課題解決でしょう。最初に「課題」について語る前に「問題」とどう違うのかということを取り上げます。私も一時この違いが曖昧で困った時があります。
●現実には最初に発生するのは問題の方です。その問題とは本来こうあるべきだという状態からうまくいっていないことです。台風19号の襲来で河川が決壊して付近の住宅が水浸しになった。住宅には住民が取り残され救助を待っている。こういうことが問題です。
●それに対して、決壊した堤防を塞がなくてはならない、救助を待っている人を助けなければならないというのは自治体の「当面の課題」です。起こった不具合が「問題」であり、それを何とかしなければいけないという意思が「課題」です。
いろいろある問題の中から解決に取り組もうとすることが「課題」だともいえます。だから課題には主体が必要です。これが2つの似たような言葉の違いです。
●仕事研究の開発者、故伊櫻淑親先生に学んだ良い課題の条件というのがあります。それは次の4項目です。
【良い課題の条件】
①何としてでも何とかしたいこと。
切実感のないものは課題ではない。
②身近で、自分たちの力で何とかなりそうなこと。
➂自分たちなりの発見があること。
人を行動に駆り立てるものは、創造の喜びである。発見のない課題は嫌になる。例えば整理整頓など。
④抽象的でないこと。大きすぎないこと。
どこから手を付けるかが、ほぼ見当がつく程度に具体的であってほしい。
私が他流試合で伊櫻先生の合宿研修に秩父の山奥に行った時、「○○本店の活性化」という課題を掲げた時に、研修でご一緒した日産自動車の研修部門の幹部の方に課題が大きすぎるとコテンパンに指摘されたことが忘れられません。どこから手を付けるのかが分かりにくいというものでした。
●課題の設定で大事なことは。課題を決めるのはリーダーだということ。メンバーの衆知を生かしても多数決で決めるものではなく、最終的にはリーダーがいま必要なことを決めなければ良い結果を生み出すことはできないということです。そのためにリーダーは存在する価値があると。
●課題が明確になれば解決のための手段・方法が必要です。巷では「問題解決技法」という本が多くの著者によって出版されています。勉強される方はそれらの本も参考にされると良いでしょう。
●私の場合は伊櫻先生の「仕事研究」という考え方と手法を学びました。それについてはまた別の稿で書きたいと思います。ここではその前提ともなる基本の基本といえる「PLAN‐DO‐CHECK」から派生した表題について述べます。
■「P・D・C・A」「プラン、実行、チェック、改善行動」は仕事の進め方の基本として多くの方が学び、実行されています。私も上司から数値目標予算を与えられ、実行計画は自分で書いて、実行し結果を評価して対策を報告するというフォーマットに従って仕事を行い記録していました。
●それは長いサラリーマン生活においては付いて回るものでした。ところがいつだったかは忘れましたが、30代になってからだと思います。PLANの前に「SEE・THINK」が必要だというのを学びました。(産能大だと思います)
●「SEE・THINK」とは「みて、考える」という意味です。計画を立てるのは現状をしっかり把握して課題を明確にしてからでないと効果も効率も悪いということでした。そこから自分で考えました。それは・・・。
●SEEには日本語では3つあります。「見る、観る,診る」です。対象をとらえる時の深さを表現する違いがあります。見るとは現象を見ること。何が起こったのか、事実確認です。数値目標なら目標予算の部門別配分構成比と伸長率と個別の実績数値などは見るということです。
●では観るとは、「観察する」の観です。どういう状態で取り組んだのか、お客様の反応はどうであったか、日別、週別、時間帯別のお客様と商品の動向はどうであったか、現地現場で観察することです。したがって小売業の場合は全スタッフが意識を持って仕事をしていないと正確な状態は把握できないと思います。
●診るとは、「見ると観る」の結果を踏まえて「診断する」診るです。好不調の要因は何か、強化やテコ入れのポイントは、新しい手段の付加が必要かなどを考える重要な要点を発見するための診るですね。医者の診察と同じですね。先生は診察・診断をしないで処方箋(対策)は出しません。
●ですから「みながら考える」という思考作業が必要になります。それがSEE・THINKです。情報、状態をみて『見・観・診』を働かせて考え抜くことが良い計画をたてる基本になるのです。これをおろそかにしてPLANに取り掛かると非効率で効果の少ないものになりやすいからです。
●『手段・対策は5W2Hと①強化 ②改善 ➂付加の切り口で考える』
手段を考えるには「5W2H」という方法と「強化・改善・付加」という『方法』があります。ここでは「強化・改善・付加」について述べます。5W2Hについては稿をあらためて書きます。
●強化とはうまくいっていることをさらに伸ばすことです。改善は上手くいっていないことを見直して行うことです。付加とはいままでやっていない新しい手段を取り入れることです。ですがこれらを決めるには2つの切り口での評価が必要です。
●ひとつは手段の重要度と効果性です。重要度は結果が及ぼすウェイトです。結果の構成比が高いものが重要ですね。また効果を挙げやすいのかという判断も必要です。
●もうひとつは手段の実行にかかる時間と費用のチェックです。時間と費用対かかる、かからない、のマトリック図を造ってそれぞれのマス目に分類して手段を評価する必要があります。これら2つの切り口は手段の選択という段階で必要な方法です。
●もう一つ忘れてはならないのが「止めることを決める」ことです。手段は結果によって取捨選択しなければなりません。そのためには優先順位を付けるのと同じように『劣後順位』を付けることが必要です。(ドラッカー先生もおっしゃっています。当欄の‐仕事ができる人の習慣を参照してください)
●これもリーダーの重要な仕事です。もうやらなくても良いということを明らかにせず次から次へと手段を上乗せするのは、実行を担う部下たちの集中力を活用しないことになります。実践では短期間に「これだけは何としてもやりきる」ということを決めて成果につなげることが必要です。
●こういうことをきちんとやるのが【方針】というものを打ち出す基礎になります。目的、目標、課題、手段・方法を一貫性(ストーリー)のあるものとして打ち出すことを会社方針とされているところもあります。
●「成果が挙げられるから頑張れる」という人間の力の発揮の源泉を知って指揮しないと効果は挙げられません。「頑張れ頑張れだけでは不十分だということを知っておきましょう」今回はここまで。<完>
■25日に病院で定期健診を受けてきました。血液検査では白血球が減っていました。しかし好中球は許容範囲内なのでことさら心配する必要はないでしょうとの診断でした。刺身や寿司などの生魚も食べて良いとのこと。インフルエンザには注意が必要でしょう。手洗いうがいは励行しています。
●日に日に気温が下がっています。体を冷やさず、しっかり睡眠をとりましょう。読者の皆様もご自愛ください。
●先週で大相撲九州場所も終わり夕方が寂しくなりました。溜まっているテレビ録画を消化するようにしています。BS12の午後5時からの放送、「三国志」に嵌まりつつあります。今までとは全く違う視点です。これは面白い!(笑)
- 登録日時
- 2019/11/28(木) 10:02