【2019年12月今月の提案➂】体験から学んだ私のマネジメント論 第8回
▲今回は須磨離宮公園の秋薔薇「たそがれ」とイチョウと松の木が重なって見えた写真です。これでこのシリーズの写真は終わります。
事例から学ぶコミュニケーションの極意【問題編】
■初めにこれから書くマネジメント論を次のフレームワークを念頭に書きます。
①言葉の意味(定義らしきもの) ②目的や理由 ➂具体的な手段・方法
④実例 ⑤注意点、今後の課題等。
■今回は対人関係能力のうち「コミュニケーション能力」について述べましょう。本欄でも2012年にいくつかの参考図書を紹介しながら私見をのべています。興味のある方は参照ください。
●またネットでコミュニケーションと検索すればいくつかの記事が出てきます。基本はそちらを参照された方が良いでしょう。ひとつだけURLを掲載しておきますのでクリックしてみてください。
https://life-and-mind.com/effective-communicator-features-114
●そこで私が研修で使用していた堀川直義先生の雑誌の記事を応用した映画「フーテンの寅さん-寅次郎恋やつれ」の会話から学べるケーススタディを紹介します。チャレンジしてみてください。
●私も多くの中高年の方と同じように「寅さんシリーズの映画」はほとんど観ました。雑誌「サライ」の特集も保存しています。面白いので笑って気分転換するだけでも良いのですが、こんな学びもできます。
ケーススタディ 出典:元成城大学教授 堀川直義氏の記事に加筆修正しました。
映画『フーテンの寅さん』の「会話」から
●故渥美清さん主演の「男はつらいよ」シリーズ「寅次郎恋いやつれ」より
●場面は歌子ちゃん(吉永小百合)のお父さんで、小説家の高見氏(宮口精二)の家へ寅さんがやってきたところ。勝手に同家のブランデーの瓶を見つけて傾けているところ。(1部中略)
●寅:「先生よ、仕事まだ終わんねえのかい・・・よお、帰るぞオレ、もう・・・」
◎高見:「ああ、どうも失礼・・・」
●寅:「これやってたよ」
◎高見:「(ギョッとして)お、ナポレオンをやってるのか」
●寅:「ナポレオンだかワシントンだか知らねえけどよ。ところでどうなったい返事は」
◎高見:「返事というと?」
●寅:「だから言ったろう。歌子ちゃんの前に両手をついて、どうぞお許しください、とそれが言えるのか言えねえのか」
◎高見:「(ムッとして)そんなこと言えるか。謝るのは歌子の方なんだ」
●寅:「分かった、オレ最初会ったときからね、この男は話し合えない人間だな、とそう思ったんだよ。歌子ちゃん可哀そうだよ。こんな親父を持ってさ ―
いま何やってんの商売、あ、小説家か。チャンバラ書いてるのチャンバラ」
◎高見:「いや時代劇は書いていないが・・・」
●寅:「現代ものか・・・ハハア分かった、人妻のふびんな恋だ、いやらしいのを書いてるね、よくも書いてるね、その顔で」
◎高見:「君ちょっと待ってくれ・・・」
●寅:「分かってるよ、しかしいくら生活が苦しくたって、そういう恥ずかしいものを書いちゃいけないよ。まじめにコツコツやってれば、いつか芽が出るもんだから、な ― そういうもんだよ、まあ、いいや、これで今日はオレ帰るから」
◎高見:とまどった表情の高見。
●「じゃ、あばよ」
フラフラと部屋を出てゆく。
●寅:「・・・掃除してないんだよ、この家は。それじゃいい作品は生まれないよ」
◎取り残された高見。憮然とした表情でナポレオンのビンを逆さに振る。
立風書房「男はつらいよ」より
事例はここまで。さてそこで問題を提起しますからまず考えてみてください。
■問題提起
●この寅さんの会話からは3つの教訓を学ぶことができます。それは何でしょうか?それを挙げて、なぜそう言えるのかを考えてください。
ヒントは2つ
①そもそも寅さんの談合の目的は何だったんだろう?
②寅さんのものの言い方に問題はないだろうか?
●解説は近日中にアップします。
■私の寅さんのマドンナの好みベスト3
●映画「男はつらいよ」では毎回違ったマドンナが出演して愉しませてくれます。そんなマドンナたちの中から私の好みの女優さんを3人挙げます。いずれも当時の役柄から好感を抱いた人たちです。今ではみなさん老境に入られています。
●第3位は「いしだあゆみ」さんです。
京都から始まって若狭へそして鎌倉での紫陽花デートがなんとももどかしかった記憶があります。(馬鹿だな寅さんと思いましたね)
印象的だったのは最後に故郷の若狭に帰ってふっきれたようにな顔をして漁港で働くいしださんの笑顔が魅力的でした
●第2位は「竹下景子」さんです。
竹下さんは寅さんシリーズに3度出演されています。渥美さんもお気に入りの女優さんだったようですね。私が良いなと思ったのは岡山のお寺のお嬢さん役でした。竹下さんが最後に柴又の寅さんを訪ねて来て、思いを口にできず切ない顔で柴又駅から電車に乗る一連のシーンが印象深いです。
●第1位は「栗原小巻」さんです。彼女も2回出演していますが、私の好みはどこかの島の小学校の先生役です。寅さんとデートするシーンでの笑顔、そして何かの拍子で抱き合いそうになる時の渥美さんと栗原さんのアドリブかと思わせるような恥じらうシーン。上手いなあ、栗原さんとても美しい!(笑)
●正月にはBSプレミアムで寅さんシリーズが3作ほど放映されます。私の好みの作品ではないので観るかどうかはわかりません。<完>
- 登録日時
- 2019/12/20(金) 15:50