【2020年1月の雑感➂】
▲ガーデンシクラメンの花。近所の花屋さんの店頭での撮影です。近所の公園やしあわせの村でも葉牡丹の花が多く植えられています。色が乏しいのでついつい花屋さんの綺麗な色の花の苗に目が行きます。
新聞記事から気づいたビジネスの教訓
■1月16日付の朝日新聞朝刊の記事から気づいたビジネスの教訓を紹介します。新聞を読んでいてもめったに気づくことは無いのですが(ぼーっと読んでいますから‐笑)、今日は古い教訓を思い出しました。
●それは①「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」と②「鳥の目」「虫の目」地震防災に活かせ、という記事です。①は京進という学習塾が展開する「探求教室」のねらいです。②は阪神淡路大震災から25年目、活断層調査に関する記事で鳥瞰的に大きく捉える「鳥の目」ときめ細かく地道に捉える「虫の目」の紹介でした。
●この記事を読んでいて現役時代に学んだ2つの教訓をあらためて思い出したのです。私が学んだのはある会社の教育担当時代に、誰からかは忘れましたが教えていただきました。①の人を育てるには「答え(魚)を与えるのではなく、自分で答えを導き出す(魚の取り方)を教える方が大事だ」ということでした。
●このように一般化された教えは「なるほど」と思わせてくれます。しかも何か素晴らしいことを教わったと満足感に満たされます。ですがこれを具体的に実践するのは容易ではありません。教える側が実践して身に着けていなければなりませんし、そのコツを体得していないと教えることはできません。
●仕事においては「問題の見つけ方」「課題としての設定の仕方」「解決策を導き出す数々の視点」「解決方法の見出し方」「実行のポイント」「結果と目標との差異分析の仕方」「反省点の見つけ方」「そこからの対策案の抽出方法」など具体的な「魚の取り方に通ずるものを教える」ことが必要です。
●しかも本人が見出した答えを評価できる力も必要です。自力で最後までやらせるのが指導ですが、その結果を見て目標との差異分析だけでなく、そもそも導き出した答えに問題は無かったかと気づかせることも必要です。学習の場ではまだしも日々の仕事の中でこれを実践するのは根気が要りますし、容易ではないということを認識しておく必要があります。
●ですが私が思うに、このことを指導する、されるの関係でやるだけでなく、成長しなければならない人が自分の頭の中で「魚の取り方」の基本を覚え、実践でセルフチェックをすることが必要です。良い答えを模索しながらやり方にも磨きをかけるというのが、スポーツ選手などと違ってビジネスの場で働く人には必要だと思っています。
■2つめの「鳥の目」と「虫の目」について、私は少し発展させて4つに分類しています。全体を見渡す広い視野と視座(高さ)の「鳥の目」、地べたを這うようにして見極める「犬の目」、そして細部にこだわる「虫の目」です。もうひとつは人の心のように表面から見えない水面下にあるものを探究する「魚の目」です。この4つの視点を持って事に当たるのがビジネスパーソンにとって重要なことだと思っています。
●私が現役時代に特に実践したのは、「店舗づくり」です。商圏マップの見方、当該店舗の平面図と立体パースまでが「鳥の目」で。売場の分類単位の配置と陳列演出が「犬の目」。什器単位の陳列とPOP広告など販売ツールが「虫の目」。主要な対象顧客の購買心理を考えた仕掛けが「魚の目」です。
●POP広告のコピーなどは顧客心理を考えた訴求と仕掛けで購買意欲を高め、意思決定を短くする仕掛け、後悔させないフォローなど接客も絡めながら考えたものです。現在もどこかでやっておられる方々はおられるでしょう。(そう願っています)
●例えるなら逆三角形でお客さまを購入という到達点に導くのがリアル売場に求められているものだと思います。その流れを設計し要点に仕掛けを施すのが店舗づくりです。それはお客様ができるだけスムーズにご自分の欲求を満たすことが必要だからです。
●現在も写真撮影に「魚の目」以外の3つを活用しています。一つの景色を訪れた時や花々を撮影する時に使います。全体を撮影したなら部分を、そして細部へと最低3枚は必要です。今までご存知でない方はぜひ活用してみてください。3つの視点で記念写真のバリエーションが広がります。
■大相撲初場所が始まり愉しんでいますが、前半5日目を迎えたところで両横綱が休場してしまいました。怪我や病気(診断書はそう書いてありますが)ではなく下位力士に簡単に負けるからです。特に白鵬は場所前に好調が伝えられていただけに情けない限りです。
●それだけ若手力士の台頭が著しいのでしょう。稽古場はともかく本場所では一発勝負ですから力が伯仲してきたということでしょう。稽古で鍛えに鍛えている若手に、調整だけで昔の財産で相撲を取る横綱大関は通用しなくなってきました。白鵬、鶴竜、豪栄道、は先が見えてきたと言えるでしょう。
●しかし後継者はまだいません。貴景勝、朝乃山、高安、遠藤、北勝富士、御嶽海などが横綱、大関、関脇を固めないと大相撲は安泰とは言えませんね。世代交代の過渡期でしょうが、早く安定した上位陣になってもらいたいものです。
■中国ドラマ「三国志」が終わりました。54回の長丁場でした。実に良かったですね。久々に満足感に浸っています。従来の三国志は蜀の国からの視点で、劉備玄徳、諸葛亮孔明、関羽、張飛、趙雲などが主要な登場人物で、そこに魏の国の曹操、呉の国の孫堅・孫策・孫権などが絡んだ群像劇でした。
●本作は末期の漢王朝と曹操父子の権力闘争がテーマです。亡くなった皇帝の双子の弟、劉平が偽の皇帝に祭り上げられるところから始まります。漢王朝を守り復活をもくろむ重臣と皇后、前半には曹操は出てこず参謀の郭嘉、県令の満寵らが入れ替わった皇帝を怪しんで真実を暴こうとすることへの防衛戦が見どころです。
●そこに劉平を助けるのが幼少期から司馬家に預けられていた劉平(揚平・義和)の兄という立場だった司馬懿仲達です。野心家の仲達と優しくて理想主義者の劉平が最後まで主役です
●2人とも青年です。そこに皇后と唐英という王妃、曹操の息子、曹丕という同世代の若者が絡んで、恋物語も展開されます。後半は曹操が登場して来て一段と緊張感が高まります。史実では漢王朝は滅び、曹丕が魏王朝を打ち立て、やがて司馬懿仲達とその息子、孫(司馬炎)によって西晋王朝が築かれ三国時代は終わります。
●多くの登場人物が死んでいきます。司馬懿は70歳過ぎまで生き、曹丕は皇帝になりますが40歳で亡くなります。では劉平と皇后はどうなるのか、いろいろ予想しましたが概ね私の予想通りに終わりました。少し物足りなさを感じたのですが、二人にとっては幸せな後半生だったのでしょう。
●俳優陣も美男美女で演技も上手いですね。特に皇后役のレジーナ・ワンさんの表情演技は上手いと感じました。また司馬懿仲達役のエルビス・ハンさんも野心家、策謀家の役を見事に演じていました。頼りになるリーダーの雰囲気を十分に出しておられます。曹操を演じた役者さんも迫力があり、怖さ、隙のなさを出しておられました。
●今日からNHKの大河ドラマ「麒麟が来る」が始まります。ぜひ三国志を上回るような出来であって欲しいですね。楽しみにしています。<完>
- 登録日時
- 2020/01/19(日) 10:31