【2020年02月の提案①】私の体験的マネジメント論 第12回
▲福寿草の花。写真は知人からの贈り物です。
「福寿草(フクジュソウ)」は、幸福と長寿を意味し、新春を祝う花として名づけられました。
花言葉の「幸せを招く」「永久の幸福」は、古くから縁起のよい花とされてきたことに由来します。(ネット情報から)
リーダーシップについて学んだこと<その3>
■前回はリーダーシップ研修によく使われたケーススタディ「八甲田山死の彷徨」を詳しく紹介しました。いかがだったでしょうか?私は改めて映画「八甲田山」が見たくなりました。残念ながら録画していないので再放送を待ちます。
(ここでBDを購入するほど衝動的ではありません。‐笑)
●今回は私が学んだリーダーシップの基本論に関する著書を10冊紹介します。長いビジネスマン人生でいくつかの著書に触れましたが、本によってどれだけ影響を受けたかは分かりませんね。やはり実践を通じて身に着けて行ったことが多いのかと思います。それでも印象に残った本を書き留めておきます。
●1、リーダー訓練:トマス・ゴードン著 1981年
今も本棚にある本書を取り出してみるとかなりの量のシールが貼られています。同時に本文にもいくつかのマーカーによる罫線が引かれています。随分と熱心に読み込んだんでしょうね。(笑)
●著者は「親業訓練」という本で広く世の親の方々に対する手助けをされたようです。その姉妹編としてこの「リーダー訓練」が書かれたんですね。内容についてはほとんど記憶していませんが、唯一『受容と同意は違う』という概念はよく覚えています。私の琴線に触れたのでしょう。
●部下と対峙する時、リーダーはまず「受容する心と態度」が必要だというものです。相手が何か言いたいときにその内容と心情を言葉、態度から発せられるものを頭ごなしに否定するのではなくまず受け容れよということです。
●それからそれに同意するかしないかは別物であるという考えです。受け入れて同意するものは同意するが、同意できないものは出来ないと伝えるのがリーダーの採るべき態度であると理解しました。このことはその後のビジネス人生で心がけた記憶があります。40年余り前の本ですが今でも通用する内容がちりばめられているように思います。(パラパラ読みですが)ぜひご一読ください。
■この調子で紹介していくともう二回ぐらいこの項が必要になります。少し端折って書きますね。
2、きほんからわかる「リーダーシップ理論」:池田光著 2011年
プロコンの代表である池田光の代表的な著作の一つです。14の先人たちのリーダーシップ理論がやさしく分かりやすく紹介されています。基本論にもこれだけ種類があるところがリーダーシップ理論の面白いところです。
●ぜひ読んでください。10年近く前の著書ですが未だにこれがベストだという理論は決定づけられていません。古くて新しいテーマなんですね。リーダーシップは目的・目標を達成する「手段」ですからこれしかないというものではないでしょう。各人が自分の個性を鑑みながらその都度最適な行動が摂れるよう知識は広い方が良いと思います。
●本書の特徴は難解な理論をビジネスパーソンにとって理解しやすいように「翻訳と編集」がなされていることです。さらにそれが図表化と文章で表現されています。分厚い専門書を読まなくても概要は分かります。
●あとは置かれた状況を鑑みながらその都度、最適な教えを参考に実践を通じて自分の血肉にされるのが王道です。身内の著者ですが掛け値なしに推薦したい一冊です。私のお気に入りは30代のころに触れた「パワー理論」でした。
3、組織を変革するリーダーの4つの役割:川西茂著 2000年
フランクリン・コヴィーの「7つの習慣」と合わせて国内に紹介された「リーダーの4つの役割」を基に書かれた本書は100ページ足らずの薄い本ですが中身は充実しています。
●第2章でリーダーシップの目的が明示されます。私の好きなパターンです。目的が明らかにされると共感を覚えます。第3章で4つの役割が紹介されます。
①方向性を示す。②組織を整える。➂エンパワーメントを進める。④模範になる。これだけでも本書が有益だということがわかります。
量は薄いが中身が濃い読みやすい本書もお勧めです。
4、リーダーシップ入門:金井壽宏著 日経文庫 2005年
金井先生が脂の乗り切った50歳過ぎに書かれた名著です。私はこの本をなぜか2冊も購入していました。例によってシールが多数貼られています。マーカーも随所に引かれています。新書版で300ページ余あります。
●2章の「リーダーシップの学び方を学ぶ」がお気に入りです。以下4項目を抜粋して掲載します。
「リーダーシップを理論として本で学ぶだけでなく、それを実際に身に着けたいと思ったら、次の4つのことが大事だ。」
●①自分がリーダーシップを直接に経験すること。
②すごいリーダーだと思える人と一緒に仕事をして、その人の言動を観察すること。
③それらの経験と観察からの教訓を言語化し、自分なりの持論を構築すること。
④学者の理論や優れた実践家の持論は鑑賞するように読むのではなく、自分の持論を創出し肉付けするために活用すること。
●当たり前のことですがまさにその通りです。基本論(理論)や一般化された
優れたリーダーの持論を自分の体験に照らし合わせて自分の持論(個別論)に
するのがリーダーシップの学び方だというのが分かりますね。すごいリーダー
と一緒に仕事ができるかは個人の運不運がありますし、機会はそんなに多くは
無いのではないでしょうか。
●それより普通のリーダーから良い点、拙い点を学ぶのが現実的だと思います。
私は生意気ですがあまり他人から学んだ経験がありません。優れたリーダーに
は接しましたが、私とはスタイルが違うという判断が先に立ちました。それよ
り自分で体験する期間が長かったので、自問自答による自己洞察と研鑽が主で
した。
我が強いんでしょうね。しかし金井先生の教えの半分は実行したと思います。
5、仕事研究集団の育て方及び研究発想で仕事を動かす:伊櫻淑親著 昭和63
年(1988年)
●この本に関しては私自身、教育担当としてかなり打ち込んだもので、別途論
考をアップします。伊櫻先生はすでに故人ですが当時は伊桜ワールドに信奉し
体験研修などでお世話になりました。他流試合で秩父の街を歩いた経験も忘れ
られない思い出です。
●この考えに行きつく前に読んだ小林茂先生の「チームマネジメント」も古い
んですが名著です。今でもこの本を読むとなるほどと思うことが多々あります。
チーム作りを目指す方には必読です。合わせておススメです。
●組織(職場)の活性化というテーマに魅力を感じ、良い働き方はメンバーの
衆知を結集してリーダーが決断する。1人一人が良い課題の元に方向性を一にし
てそれぞれが役割を果たすことこそ理想だと燃えていましたね。伊櫻先生の職
場に、仕事に『旗を立てる』という言葉に心酔したものです。
■ここまで5冊紹介しました。残り5冊は次回以降にします。ここまで随分と
古い本が多かったですね。次回の5冊は比較的新しいものを選びましょう。
■今週2月3日(月)から1週間、怪我をした息子の復帰へのサポートで多忙
でした。特に朝の通勤は午前6時に起きて8時までに三宮の会社まで送り届け
ます。夕方は6時過ぎに三宮まで迎えに行きました。電車とバスの座席を確保
するのが自らに課した使命です。(笑)腕は落ちていません。
●片道はサポートで緊張しますが、一人の時は気楽です。今週は人々の観察を
愉しんでいました。朝はみなさん真剣な顔で通勤されています。午前7時台の
電車には学生さんもおられないので笑顔の人を見ることはありません。仕事に
向かわれる朝の顔は引き締まっていて良いですね。気楽なのは私だけだと思っ
ています。ただ足早の人が多いのと走る人には要注意です。
●それにしてもスマホをいじっている人の多さにはあらためて驚きました。ゲ
ームをしている方がほとんどですが、笑顔の人は居ませんね。何事にも真剣だ
なと思いながらチラ見で覗いています。
●まだ3週間はこの状態が続くでしょう。今日日曜日は休みなので久々に朝寝
をしました。でも5時には目が覚めましたがね。抗がん剤を飲んでいますがそ
れすら忘れます。副作用も感じません。かゆみ止めは抗アレルギー剤の服用で
成功し悩むことはなくなりました。ただ末梢神経障害で足の痺れが膝上まで進
行して来ているのが気がかりです。<完>
- 登録日時
- 2020/02/09(日) 10:56