【2020年5月の雑感①】
▲芝桜。今朝知人から届きました。何度か本欄で掲出していますが、本物を見たいですね。近隣では観ることが叶いません。
巣ごもりもまた楽しからずや
■緊急事態宣言は1か月ほどの延長のようです。これは零細企業にとってその存続が危ぶまれる事態です。さて政府の補償政策はどのようになるのでしょうか?当事者の方々は固唾をのんで見守っておられることでしょう。何とか良い方向に行けばよいのですが。
●私のような隠居老人は余計なことを言わないで、コロナウイルスに感染しないことに最善の努力をしながら生き抜いていくしかありません。今日は家の中にばかり籠っているわけにいきませんから近所のショッピングセンターに出かけました。牛乳とパンや重い野菜は私が買うことになっています。
●須磨パティオというSCですが、ほとんどの店が休業しているのに食品スーパーやドラッグストアは営業中です。午前10時に行きましたが既に多くの人でにぎわっていました。早めに買い物を済ませ荷物が重いので遠回りのバスで帰ってきました。
●今日は特に足腰の弱っている老人の乗客が多くバスは各停留所で停滞気味でした。途中、2人のヨタヨタの老人男女がバスの降り口で口論していました。足腰は弱っても口は達者ですね。(笑)多くの杖を突いた方々を見ていると自分はまだまだ大丈夫等と思いました。
■今朝で「それからの武蔵第6巻 天命篇」を読み終えました。いやあ実に素晴らしい小説でした。後半は付箋が沢山ついています。武蔵の最後を感動の面持ちで看取りました。これは作者の小山勝清さんの創作なのでしょうが、どこまで史実なのかはわかりません。
●解説も参考文献の掲出もありませんので史実云々は意味がありません。他の宮本武蔵本とは違う内容なのであくまで小山さんの考えられた武蔵象でしょう。私は武蔵が最後に到達しようと岩渡山(いわとさん)での座禅の日々とその結果覚醒したかのように五輪書を書き上げる場面に引き込まれました。
●本書は全6巻、2000枚の大作ですが今回は最終巻のみ読みました。それからの武蔵とは佐々木小次郎との舟島(巌流島)での決闘以後の武蔵の生き様を描いたものです。剣の修行、決闘の数々だけでなく4人の女性との交流が描かれています。(これがまた品格のある良い内容でした)
●第5巻まではどのような内容であったかは記憶がありません。時間が無いのでもう一度読もうとは思いませんから紹介はできません。最終巻のみの概略は以下のとおりです。最初に柳生兵庫助の息子17歳の柳生七郎兵衛(のちの連也斎)が武蔵を訪ねて来て試合を申し込むところから始まります。
●武蔵は弟子の寺尾信行を相手に立てます。ここまでのやりとりも緊迫感があります。寺尾信行も七郎兵衛と同じ17歳です。試合の結果は措くとしてこの描写がすごい。津本陽先生の柳生兵庫助(双葉文庫全10巻)の新陰流の剣技に勝るとも劣らない表現です。私にはたまりませんでした。
●そして森鴎外の小説でも有名な阿部一族の話が2章に亘って描かれます。
この2章のエピソードは本巻の主題とは少し離れているような気がします。別の短編が挟まったように思えました。
●その後はいよいよ武蔵の最後の日々が描かれます。私が共感したのは武蔵が神も仏も儒教もその存在と意味は理解しながらも信ぜず、自分があみだした二天一流の兵法を持って見極めると誓うのが、日輪(太陽)の背後にある真如である。という一節です。例えば釈尊の教える法に頼らず自力で真如を見極めるという自力の精神です。
●その集大成が五輪書に帰結します。武蔵61歳、死の1年前に完成します。このあたりの記述には惹きこまれました。座禅を一緒に組んでくれた春山という若い僧から、釈尊が究めた仏法を衆生に説いたのを転法輪というのだそうですが先生の転法輪はと問われ、武蔵は兵法を説くと言って五輪書を書き始めます。
●一歩一歩と踏みしめ、一歩一歩と高めてきた兵法、今やその兵法によって空を悟り、真如を体得し、観音を見た。もはや単なる兵法ではない。万機に通じ悟りに至る道である。と小山さんは断定されています。(好きですねこういう表現)
●もう一点の共感は「我事に当たりて後悔せず」という武蔵の信条です。私も30代半ばころから「反省すれど後悔せず」を信条にして生きてきました。武蔵には反省という言葉はありませんが、実際は29歳までの剣の無敵の時代(佐々木小次郎との決闘まで)から大いにその剣技の強さのみから反省して新たな道を歩んだというのが武蔵の生きざまです。それが小説「それからの武蔵」の大きな主題であったのでしょう。
●吉川英治の小説「宮本武蔵」も野人武蔵から剣聖武蔵への成長と転換の物語ですが、小山勝清さんも宮本武蔵を通じて理想の生き様を描かれたのでしょうか。凡人の私にはその過程に触れるだけで武蔵の足元にも及ばない人生に、恥じることはありませんが羨望とあきらめを感じる次第です。
■午後からはBSプレミアムでゴッドファーザーPARTⅡが放映されたので録画して夕方から観ています。3時間半近い大作ですが一気に見てしまいました。PARTⅠに比べて観た回数が少ないせいか記憶があいまいでその分興味深く観られました。いやあ、やっぱり良かったですね。同時に昨日と今朝のネットサーフィンで下記の記事を見つけました。映画をご覧になった方はぜひ読んでみてください。好奇心が満たされます。来週水曜日にはPARTⅢが放映されます。愉しみです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200506-00010002-cinemore-movi
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200506-00010004-cinemore-movi
■最後に今回の「玉情報」は立教大学の中原先生からのプレゼントです。
組織開発をテーマに実践研究を行われている先生の著書「サーベイフィードバック超入門」のPRも兼ねておられるのでしょう。
●サーベイフィードバック超入門 立教大学 中原教授のスライド資料
https://bit.ly/2KIIbmM をクリックすれば入手できます。
以上5月6日から7日に書きました。<完>
- 登録日時
- 2020/05/07(木) 12:08