▲朝日新聞の記事から(抜粋部分)
学んだことを実践して身につけることについて考える
●今日は2009年の大晦日です。身の回りの片付けをしていて目に留まった新聞記事がありました。新聞を読んでいて良いなあと思った記事は切り抜いておいて置きます。月に1度は整理するのですが、今月は今日になりました。
●その記事は12月12日付け朝日新聞の朝刊に掲載されていました。タイトルは「オーサー・ビジット2009」というもので、各界の著名人6人が小・中・高等学校で授業をされた内容と様子を記されています。
●私が興味を持ったのは、作家の上橋菜穂子さんが地元兵庫県の姫路市にある船津小学校での授業でした。上橋さんはテレビアニメにもなっているベストセラー小説『獣の奏者エリン』の作者です。(写真の笑顔が素敵です)
●まず感心したのが各記事を書かれている記者の皆さんの文章の上手さです。プロですから当然なのでしょうが、短い文章の中で授業の内容と雰囲気を伝える力には感服いたします。
●なかでも上橋さんの記事を担当された安里麻里子さんと写真を担当されている芳地博之さんのコンビは一番良く見えました。授業の雰囲気がとても伝わって来るのです。キャッチコピーも『「におい」テーマに広がる物語』と、興味を引き起こすものになっています。
●内容を読んでみて思わずメモを取りました。
●上橋さんは「身近なテーマからいろんなお話が展開できること、文章の書き方にはコツがあることを実感してもらいたくて授業しました ― 以下略」と感想をのべられています。
●文章の書き方のヒミツを3つ話されています。(3つに絞るところも流石ですね)その3つとは・・・
●1つは<書く順序が大切です> (これは方法・技術ですね)
●2つは<あたりまえでないことを考えつけるか> (これは着眼、視点か)
●3つは<文のリズムがよいと気持ちよく読める> (これも方法・技術か)
●私も本欄に拙文を書いている身です。上手い文章を書きたいという問題意識があります。そして、それは私にとっては簡単ではないという思いも持っています。この記事を拝見して「そうだ」と同意しながらも、この3つについて、授業を受けた小学生たちにどのように伝わったのかが気になりました。
●2人の小学生の感想が掲載されています。1人は<ヒミツ1>が印象に残ったそうです。もう1人の感想は、「…書き方のお話はとても参考になりました」と具体的ではありません。
●この記事では、3つのヒミツについてはそれぞれ短く「方法」が書いてありました。1つ目は例文でその違いを比較してわからせています。2つ目は「私、気がついちゃった」と思ったことを、周りの人にどんどん話していくと身につくとか、3つ目は、書いたら声に出して読んでみる。口ずさめるくらいならいい文章とのこと。(写真でこの部分の記事を参照してください)
●私はこれを読んで、このままでは、できるようになる子は少ないだろうなと思いました。おそらく今後の授業には活かされるとは思うのですが、単なるイベントに終わらせないで欲しいものです。
●私が先生でフォローするとしたら、ヒミツ1はどういう構成にすれば面白くなるのかがわかるように、もう少しいくつかのパターンと事例を教えてあげるでしょう。(うまくできるという意味ではありません)
●ヒミツ2は周りの人次第かもしれない。親が真剣に聞いてあげないと続かないでしょう。授業の中でそういう機会を設けると面白いかもしれませんね。
人の話をよく聴くという訓練にもなるでしょうから。
●ヒミツ3は方法論不足でしょう。どうしたらリズムのよい文章が書けるというのがないと、どのように修正すればよいかがわからないですよね。ちょっと勉強してみようかなと思いました。
●今回の授業の目的は、身近なテーマからいろんなお話が展開できること、そのためには書き方にコツがあるということを理解させることでした。「わかるように」なったら、「できるようになる」そのためには、「やってみる」そして「続ける」ことが重要ですね。
●世の中の多くの人が、学ぶのは好きだけど実践し、やり続けるひとは100人に1人ぐらいと言われています。その中で成功する人はもっと確率が低いのではないでしょうか。
●物語を上手く書けることだけが人生の選択肢ではありません。ただどのような分野にも物事を上手にやっていく方法とコツがあるのは確かです。これを楽しく子供達に教えてあげ、身につけさせるのは重要なことです。
●それは、子供たちだけでなく大人にも必要ですね。今年の終わりにあたって、あらためて学んだことを実践して、身につけることの大切さを考えさせられた記事でした。<完>
- 登録日時
- 2009/12/31(木) 17:13