【2020年7月の雑感④】
▲姫小百合の花。先般、映画「男はつらいよ」で2度目のマドンナ吉永小百合さんがゲストの「寅次郎恋やつれ」を見ました。昨年12月に本欄でコミュニケーションのケーススタディで掲出した会話の実写版です。映画で見ると寅次郎の身勝手な傍若無人ぶりがよく分かります。父親役の宮口精二さんはいい味を出しておられますね。小百合さんはとても美しいです。そこでこの花を選びました。ただこの回の寅次郎には不快感を覚えました。(笑)
近況いろいろ(2)
■プロ野球の次は大相撲7月場所です。4か月ぶりの開催です。大相撲ファンの私には待ちに待った7月場所でした。日曜日の初日から午後4時過ぎにテレビ桟敷に陣取っています。例によって大川栄策さんの「男の火花」を聴いて相撲モードに入ります。(笑)
●注目は新大関朝乃山関の相撲です。4日間見ましたが素晴らしい動きです。将来の横綱を予感させる勝ちっぷりですね。今場所はぜひ優勝をしてもらいたいと思いました。
●もう一人の大関貴景勝は心配ですね。相手を一気に押し出す馬力に欠けています。膝に違和感があると聞きましたがそのせいでしょうか?押し切れないからいなしたり引いたりしています。こんな相撲ではカド番脱出に不安がありますね。なんとか頑張ってもらいたいものです。
●今場所は幕の内前半から好取組が多くて楽しいですね。元大関の4人が幕内下位の番付のため早々に登場します。高安、栃の心、照の富士、琴奨菊と錚々たるメンバーです。みなさん頑張って勝ち越してもらいたいですね。
●さらに、佐渡が嶽部屋の有望な若手も楽しみな存在です。琴勝峰、琴ノ若の2人は有望です。体格もあるうえに相撲も稽古十分をうかがえる内容です。今場所は幕の内前半の取り組みが面白い希有な場所です。
●横綱白鵬が元気なのもいいですね。この人は東京オリンピックまで現役でと言っていましたがまだ1年先まで大丈夫だと思わせる内容です。鶴竜は頼りないので白鵬が元気なうちに朝乃山関に横綱への昇進を決めてもらいたいですね。
●相撲はまだ始まったばかり、8月2日(日)の千秋楽まで熱戦を期待しています。毎日抗がん剤を飲んで快調ではありませんが、夕方の大相撲観戦が気持ちを紛らわせてくれます。
■ようやく兵庫芸術文化センターから9月からの公演開催の案内が届きました。
コロナ禍でオーケストラはどこも窮地に陥っているようです。各地で再開のニュースが届き始めました。私がこの7年ほど愉しんだ兵庫芸術文化センター管弦楽団(通称PAC)の今年の演奏会がいよいよ開催されるそうです。
●前シーズンまでは定期演奏会でしたが2月で終わり、3月、4月、5月、6月と中止でした。今シーズンの計画も進んでいたのでしょうが中止になりました。代わりに特別演奏会が随時開催されるようです。その最初が9月です。8月2日に会員のみに限定発売されるそうです。
●2つの演奏会の案内がありました。入場者数も限定されるので入場料の割引はありません。1公演4,000円です。一つはベートーヴェンの交響曲シリーズの第1回、第1番と第3番です。もう一つがリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」です。私は後者を選びます。良い席が確保できれば行きます。(笑)
●今年はうまくいけば2か月に1回ぐらいは出かけてみようと思います。なんといっても生演奏の魅力は捨てがたいものです。我を忘れてその空間と一体となれますから。テレビ中継では味わえない感覚です。
■韓国時代劇「大王世宗」がようやく今週で86回の長丁場の放送が終わります。とにかく見ごたえのある大作でした。世宗大王の10代から亡くなる50代までの約40年間の物語です。
●この物語の良いところは、よくありがちな宮廷内の権力闘争、陰謀に終始するのではなく、この王様が国内外に向かって行った政治的な成果を多く描いていることです。宗主国、明の支配下にあるだけでなく自主独立の気概を国民が持てるようにすること。
●そのため朝鮮独自の暦を持つこと(これが大変難しい)、北方の国境を確立すること(これまた困難が伴う)、それに伴う新しい武器の開発、そして最大の功績である民のための文字創成(現在のハングル文字の基礎をつくること)です。
●実に国王として素晴らしい業績です。そのためこの王様は眼を患い盲目になります。それでもあきらめずに頑張ります。なんという執念でしょうか。その思いに至るエピソードは本編で幾つも語られます。単なる思い付きではありません。しかも重臣やスタッフの提案ではなく王自らの発意です。それがこの国のビジョンの提示となっていくのです。
●重臣やスタッフは反対勢力も描かれますが多くは王の夢を実現するために働く人材として活躍します。先王との確執もありますしその時代の重臣の政治的な動き、「政治とは何ぞや」も語られます。皆さん達者な役者ですのでついついドラマに惹きこまれました。
●この時代の輝かしい業績にもかかわらず、後継者の世子が王になる時代(文宗)は病弱のため2年で終わります。その後は息子端宗が12歳で引き継ぎますが、叔父の首陽大君(世宗の次男)に乗っ取られます。この辺りは韓国時代劇「王女の男」や「インス大妃」で詳しく描かれます。
●以前に観ていましたが、内容はクーデターに殺人、陰謀、権力闘争、男女の愛憎、嫁姑の確執などドロドロした内容です。大王世宗に比べると品格がありません。(笑)世宗の気高き志と努力に対して、後の世の人は凡俗すぎます。やがて10代国王燕山君の悪政の時代に行きつくのです。
●その後も平凡な時代が続き、ようやく22代国王、イサンでお馴染みの正祖(チョンジョ)でまともな王様を得ます。しかし死後、21代国王の後妃、貞純王后による正祖の業績をことごとく覆し、出身の金氏による勢道政治(王様を飾り物にして重臣が実権を握ること)を招き、国を停滞させます。
●これが国の近代化を遅らせて、明治維新後の日本とも格差がついて新しい国づくりを妨げるようになるのです。大王世宗で描かれる文字創成(ハングル語の基礎)も実際に普及するまでにはその後450年もかかります。両班という特権層が普及を妨げます。(既得権益の確保のため)
●この国がいかにも保守的で改革の気概を持ち合わせていないかが伺えます。世宗のような優れた人物の出現はこの国にとっては奇跡でしょうか。終始世宗に反対する学者のチェ・マルリという人物が典型です。学者として何を研究していたのでしょうか。反対するならそれを凌駕する政策提言があってしかるべきですが、この物語ではそのかけらもうかがえません。頭の良い頑固者にしか思えないのが残念です。
■中国時代劇「三国志」の再放送もあと十数回となりました。2回目の視聴なので細部がよく分かります。昨日で曹操の参謀である郭嘉が病気で死にました。これからは曹操対皇帝(劉平=揚平)の心理戦です。そこに司馬懿と曹丕が絡んで物語はクライマックスへと向かいます。
●屈折した心の曹丕の動向となぜ司馬懿が皇帝とたもとを分かって曹丕に着くのかが見ものです。結論は曹丕が漢王朝から魏王朝を継ぎながらも早死にするのですが、その後司馬懿が実権を握っていくまでが描かれます。
●蜀の国の諸葛亮孔明対魏の国司馬懿仲達の対決は描かれない三国志です。劉平は漢王朝を再建することなく追われますが、個人として皇后と平和に生きる道に至るのはハッピーエンドです。袂を分かったはずの司馬懿が義弟劉平と伏寿(皇后)のために手を打って置くところなどは流石知恵者、司馬懿と分かります。かっこいい漢です。
■育児放棄の事件から韓国ドラマ「マザー、無償の愛」(放送終了済み)に惹かれました。
●また3歳の女児が育児放棄で餓死させられた事件に興味を持ちました。写真では綺麗なお母さんです。自分の美貌と性欲からか男性と遊ぶことの方が大事と思った母親は何度も幼子を一人にして遠方まで男に会いに行ったようです。
●何とか生き延びていた幼子もついに力が尽きたようです。とても哀れで涙を禁じえません。何年かに一度は同じような哀しい事件に出くわします。母親に対する怒りの感情を持ちますが自分にはどうすることもできません。
●思い出すのは先ごろ観終わった韓国ドラマの「マザー、無償の愛」です。このドラマも育児放棄で男に走った母親と捨てられた女児キム・ヘナが科学者のカン・スジンに拾われ、共に逃亡するところから始まります。
●母親役の女優イ・ヘボンさんの魅力に引き込まれて全22話を見ました。韓国の現代劇でこんなに入れ込んで観たのは久しぶりです。(笑)印象に残っているのが、日本のテレビドラマ「八日目の蝉」で檀れいさん演じる主人公が小豆島で誘拐した子供と引き離される場面と重なる、スジンとユンボク(キム・ヘナ)が港とで逮捕され引き離される場面でした。私の女脳全開です。(笑)<続く>
- 登録日時
- 2020/07/23(木) 13:21