【2021年02月の雑感②】
▲水仙の花には毒がある。本の広報誌「読楽」2月号(徳間書店)を読んでいて巻頭に水仙の花は全草が有毒であるという記事を見つけて驚いています。
葉がニラに似ていることから誤って食べて食中毒になる人がいたとか。寒い冬に可憐な花を咲かせる美しい水仙、見た目だけでは分かりませんね。私は初めて知りました。
新聞記事から
■私が読む新聞は朝日新聞と週末に息子が買ってくる夕刊紙の日刊ゲンダイです。いずれも政治面では自民党批判一辺倒の左翼系新聞と言っても良いでしょう。スポーツ面では野球は巨人を重視しない、むしろ批判する傾向が強い新聞です。(笑)権力を監視し批判する新聞の役割の一つを果たしているとも言えます。
●そういう性質のものだと分かって読めばそれなりに刺激は受けます。ですが政治面はあまり読まないですね。それ以外の記事ではやはり興味深いものがあります。2月13日(土)の記事から目に留まったのが、読書欄。1月に逝去された半藤一利さんの追悼を加藤陽子教授が書かれていたものです。
●取り上げられた半藤氏の著作は、「日本のいちばん長い日」決定版(文春文庫)
「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦(岩波ブックレット)、「靖国神社の緑の隊長」(幻冬舎)の3冊です。私は一冊も読んでいません。半藤さんの著書で読んだのは「昭和史」(平凡社)と加藤教授との対談「昭和史裁判」(文春文庫)の2冊きりです。
●それでもこの記事に関心を持ったのは「昭和史裁判」が印象的だったからです。昭和史裁判を読んだのは私の長年の疑問である『昭和天皇はなぜ戦犯にならなかったのか』にあるからです。しかしこのことに対する何らかの答えがこの記事にあるわけではありませんでした。
●加藤教授の本記事の命題は、半藤さんが死の床で奥様に遺した「日本人は『そんなに』悪くないんだよ」という言葉に込めた含意は何であったかを3冊の著書をたどりながら明らかにしようとされたことです。
●加藤教授の本文を要約するだけの能力は私に無いので止めておきます。上手なだと感心するばかりです。ただ半藤さんが加藤教授との対談の中で述べられた印象的な言葉というのはそのまま紹介したいと思います。
●日本人の欠点は何かと考えると二つある、『当座しのぎの根拠のない楽観性と排他的同調性の二つだと』。この二つの欠点をまぬかれた8人の将兵を描いたのが「靖国神社の緑の隊長」だと紹介されています。2020年の作品です。読んでみたくなりました。
●昭和史における軍人の根源的な暴力をリアルに捉え、多くの作品で指摘してきた半藤さんが最後に市民として軍人として良く生きた人々を描き、帳尻として「日本人は『そんなに』悪くないんだよ」と言い遺して逝ったのではなかったかと加藤教授は結んでおられます。
●「昭和史裁判」では昭和天皇も裁判の遡上に上げられているのですが、検事役の半藤さんにして陛下に遠慮してその役を降りておられます。加藤教授が弁護士から一転して検事役を担当されたように思いますが、もう一度読み直してみたいと思います。最初に読んだ時におおいに不満を感じたものです。
●その後、半藤さんが昭和天皇についてその責任を追及されたとか明確に批判し根拠を述べられたという文献には当たっていません。そのことは別の機会に考えるとして、今回の記事では半藤さんが「先の戦争は日本人が悪い」と決めつけるのではなく、『そんなに悪くない』とされたことに興味が惹かれました。
●最後のご著書「靖国神社の緑の隊長」を読んでみたいなと思っています。
■もう一つの記事は「今こそ聴きたい ちあきなおみさん」というものです。「be」という別刷りの中の記事です。最後のステージから29年、御主人の逝去をきっかけに引退してしまったちあきさんには今も多くのファンの支持があり、復活を望むという主旨のものです。
●もう74歳になっておられ復活の意志などない方に相変わらず呼びかけるマスコミに違和感を覚えます。歌手としては全盛期と思われた時に引退され、その業績は素晴らしいものでそれが今も人気を博しているならそれを上手に提供すればよいと思います。
●2019年にはテイチクから「微吟」というアルバムが発売され売れているそうです。ファンはそれを愉しめばいいんじゃないでしょうか。私はそう思います。嫌がっている人を無理やり引っ張り出そうとするマスコミの魂胆は嫌いです。そっとしておいてあげるのが礼儀でしょう。
●この記事でもうひとつ気になったこと、それはちあきさんのヒット曲の読者ランキングが掲載されていたのを見たことです。10位まで掲載されていましたが、その内容は1位「喝采」2位「四つのお願い」3位「矢切の渡し」以下「黄昏のビギン」「雨に濡れた慕情」「夜霧よ今夜もありがとう」「夜間飛行」「紅とんぼ」「朝日の当たる家(朝日楼)」「さだめ川」でした。
●これを見て私の好みとは随分違うなという思いです。それは読者の方もどうでも良いことだと思うのですが、自己主張してみたくなりました。(笑)
私の1位は「かもめの街」2位は「歳月河」3位が「紅とんぼ」です。それ以外では「矢切の渡し」を聴くぐらいで他の曲はあまり聴きません。
●私には挙げた3曲が歌詞ともども身に染みるんですね。ちあきさんのすべてが良いなんて思わないファンです。自分で選んだものだけを愉しむのが私の流儀です。ま、それがどうしたと思われるでしょうが。(笑)
■最後に「売れてる本」として紹介されていた『他者と働く「わかりあえなさ」から始める組織論』宇田川元一著の紹介文に惹かれました。
●とても血の通った組織論の本だと思った。経営学者の著者は「ナラティヴ・アプローチ」という手法を軸に、会社組織における「対話」=「新しい関係性を構築すること」に実態を論じていく。以下略
●本書には物事に「当事者」として粘り強く対処していく上でのヒントがちりばめられている。ウイルスの流行で人間の関係性のあり方が否応なしに変化するなか、その指摘はより重みを増していると言えるだろう。稲泉 連(ノンフィクション作家)これも読みたくなりましたね。本を捨てている最中なのに(笑)
■明日は定期診察の日です。昨日で抗がん剤「ロンサーフ」の今月分は飲み終わりました。ほっとしています。今回も便秘と下痢には悩まされましたから。これから2週間は体調が良くなる時期です。今日はまだ暖かいのですが週明けからは寒波がやってくるそうです。用心、用心。皆様も気を付けて乗り切ってください。
■2月15日(月)久々の激しい雨。今日は雨の中病院に行ってきました。2時間待ちの5分の診察でした。血液検査と尿検査の結果に異状はないとのこと。後は薬を処方してもらい帰ってきました。先生は30分もお待たせしてなどと勘違いされていたので「先生1時間半ですよ」と訂正しておきました。(笑)
●採血のため40分ぐらい前に病院には入っているので2時間強待ちです。それでも今日は癌支援センターでO看護師と1時間近く雑談をしていたので助かりました。緩和ケア病院の面談を決める予定でしたが、担当の看護師さんが遅れられたので雑談に興じていました。
●新長田と東灘の住吉にある病院の2つを選び、面談の段取りをつけてもらうことにしました。まだ元気なので緊急性はないのですが、がん患者は亡くなる1か月前まで元気なのに急に体調が悪くなって亡くなるという新聞記事を読んでいたので、予約の登録のために必要かとお願いしました。
●これで今回はアップします。今月一杯は薬の服用もなく快適に過ごせるでしょう。油断してコロナに感染しないように注意しながら身辺整理に励みます。<完>
- 登録日時
- 2021/02/15(月) 17:21