【2021年03月の雑感②】
▲クロッカスの花。写真は知人からの贈り物です。クロッカスは白や黄色、紫の花を咲かせる球根植物です。春を告げる花の一つとしても有名で、花壇の寄せ植えでも人気ですね。水耕栽培でも育てられる特徴があります。クロッカス全体の花言葉は「青春の喜び」、「切望」です。
クロッカスは3月に最盛期を迎えるので、ヨーロッパでは春の訪れを教えてくれる花といわれています。そこから春と青春が結びついて「青春の喜び」がつけられました。(以上ネット情報より)
緩和ケア病院に行ってきました
■陽光が眩しく春の足音がはっきり聞こえます。しかし外は風が冷たくてまだまだネックウォーマーのお世話になっています。でも湯たんぽの湯は朝の顔洗いの時に水でうめないと熱くて使えません。寒暖の差が大きい季節なんですね。
●3月11日(木)に神戸医療センターから紹介を受けていた緩和ケア病院の視察に行ってきました。家内にも同行してもらいました。東灘区住吉にある東神戸病院からです。もう一つの候補、長田区の協同病院へは3月22日に行きます。
●久しぶりにJRに乗って住吉駅まで行きました。懐かしい場所です。会社員勤めをしていた18歳から27歳までこの地に有った会社の寮に住んでいたからです。その後も六甲アイランドへポートライナーが接続され、当時会社の倉庫があったので何度か通ったものです。
●ですが2002年に会社が民事再生法を申請してからは住吉に行くことはありませんでした。およそ20年は経過しています。駅前はすっかり見違える状況になっていました。寮生活時代に通った本屋さんも無くなっていました。
●少し北西に行くとJRの高架下の道路が見えました。ここは変わっていないなと思いながら北へ上がります。そこは「ありまみち」です。道の両サイドは新しい店舗や喫茶店などが見られます。教育センター長時代に故伊櫻淑親先生を迎えて何度か「歩行ラリー」を使った研修をしたことが思い出されました。
●研修の事前準備でこの辺りを歩き回ったことが懐かしく思い出されました。もう他には誰も覚えていないかもしれませんが。ありま道の途中に東神戸病院はありました。ずいぶんと古い病院のようですが記憶にはありません。家内は古さが気になったようです。
■先生と看護師長さんとの面談がありました。開口一番、先生は「随分といろいろ治療されてきたんですね。」とおっしゃい神戸医療センターからの書類に目を通されていました。いくつか質問されましたが私は自分のことなのでよく覚えています。よどみなく答えました。
●15分ほどで一通りの質問が終わると先生は私の顔を見ながら「私どもがお手伝いをするのはまだ先になりそうですね」とおっしゃいます。すかさず家内がわが意を得たりとばかり「そうですね、あまり変わらないんですよ」と応えていました。家内は私が神戸医療センターの主治医の先生からの比較的悲観的な情報を伝えても信用しない傾向があるんですね。(不安を打ち消すためでしょうか?)
●私は先生に最近3か月の腫瘍マーカーの数字が急激に上昇していることや、腫瘍の数とサイズの変化、副腎への転移を伝えてもあまり驚かれませんでした。もっとひどい状態の人を多く診ておられるからでしょうか。今状態では急に自分のところの病院に来る患者ではないという判断でしょう。
●途中で体に埋めたポート(点滴による抗がん剤治療用)についてお話があり、いつから使わなくなったんですかとの問い。2年弱ですと伝えるとその間に「せいすい」など通しましたかと尋ねられました。いや何もしていませんと伝えると「詰まっているかもしれませんよ」とアドバイスがありました。これは医療センターに伝えないといけないと思い感謝の意を伝えました。
●先生とは30分ぐらいの面談で終わりあとは看護師長さんが病院の説明と案内をしてくださいました。この看護師長さんはコミュニケーションが上手で、事務的に病院の説明をするのではなく、つかみに私の声が良いという褒め言葉からはいられました。「どういうお仕事をされていたんですか、アナウンサーでも通用するような声ですね。」と、久しぶりに他人から褒められましたね。(笑)
●話の中で私が「家内からは小言ばかり言われることが多いんです」と伝えると、印象に残ったのは家内にも「ご主人はどんな人ですか」という質問をされたことです。家内は「頑固です。でも自分のことは自分できちんとやります」と答えていました。
●看護師長さんは「そうですか、うまくやってくださいね」と夫婦仲を推し量るような質問と軽くコメントされました。私はこのような質問で患者の夫婦仲を推し量っておられるのではないかと推測しました。おそらく面談記録にはなんらかの感想を記されるのではないかと思います。(笑)
●この病院を選んだ動機の一つとして、個室入院がメインで差額の部屋代が要らないということだと述べました。しかし師長さんは大部屋も2つあり患者さんの状態で必ずしも最初から個室とはいかないことがありますよとくぎを刺されました。
●あとは食事代が意外と高く、神戸医療センターよりも負担が大きいようでした。ただ部屋代の差額(1日7,000円から1万円)に比べるとそんなに気にすることでもないようですが。家内が少しこだわっていました。
●最終的には登録をするという事で対応してきました。家内はいろんなところを見て決めた方は良いという意見ですが、多くの病院は相部屋で個室は差額費用が要ります。年金暮らしの私にはできるだけ経済的な負担を家族に掛けまいという思いがあるので、設備の旧さなどに二の次です。
●『人生の最後は病院にする』というのが私の『決断』です。家で死にたいなどとは思いません。コロリと逝ければ家でも良いのですが、がん患者ではそうもいくまいと思います。最後まで面倒は掛けたくないと思っています。それがあって
どこの病院にするかという『判断』があるわけです。
●登録したからといって必ずそこに入られるわけではありません。先生と師長さんにももう一軒他の病院(協同病院)にも行きますと伝えました。そこもおそらく登録という事になるでしょう。その時が来ればいずれかの病院にお願いすることになるでしょう。それまでにコロリと逝くかもしれませんけど。(笑)
■帰りについてきてくれた家内への礼として病院の近くにある「神戸屋レストラン」に行きました。なかなか家の近所ではお目にかかれないいい雰囲気のレストランでした。2人で外食するのは久しぶりです。私は肉、彼女は魚でランチ定食をいただきました。美味しかったですね。いい雰囲気で過ごせました。
●住吉駅に戻って私は「御影新生堂」という食品のセレクトショップに行きたかったので別れようとしましたが、彼女もショッピングセンターが気に入ったようでウロウロしたようです。「御影新生堂」さんでは私の欲望が満たされ珍しい食品を3,500円も買ってしまいました。この体験は別の日のブログで紹介します。
●別々に家に帰ったのですが、家内は大丸神戸店にも寄っていたそうです。夕方遅くに帰ってきました。朝8時半に家を出たので1日仕事でした。私は午後3時半ごろには帰りましたがもう疲れ切っていました。体力は確実に落ちていますね。
●病院では今の状態を医療関係者に話す機会が少なかったので、今回の面談は私にとって有意義で満足できるものでした。家内も満足そうでご機嫌に見えました。予想通り登録だけに終わりましたが、いつかはお世話になるかもしれません。それまで先生が言われていた「好きなことをして生きてください」の言葉に安堵した自分がいました。<完>
- 登録日時
- 2021/03/14(日) 10:43