【4月のトピックス①】
大相撲 把瑠都 綱まっしぐらに期待する
●3月31日に大相撲の把瑠都関の大関昇進が決りました。エストニア出身のこの若者は現在25歳、朝青龍引退のあとを受けて相撲界の期待を一身に担うホープです。今年中には横綱昇進が期待されています。
●今年に入っての2場所の好成績(12勝3敗、14勝1敗)で注目され出しましたが、すでに2006年頃から将来有望な力士でした。その年に左ひざの大怪我をしてしまい、2007年にも十両優勝とひざの故障を繰り返していました。
●2年前の2008年から幕の内に定着し、徐々に力をつけていきました。正確には力はもともとありましたので、相撲の技を身につけたというのが正しいでしょう。入幕当初は脇が甘く引っ張り込んで相手に差されていました。
●去年の夏場所ごろから脇を締め、おっつけたり、上手を浅く取ることや左からの掬い投げを行なえるようになりました。今場所は立会いからのど輪でツッパリ、相手に飛び込ませなくなりました。そして先手先手で有利な体勢をつくって攻め勝っています。
●先場所は朝青龍に土俵の真ん中にたたきつけられました。今場所も白鵬に土俵下に投げ飛ばされましたが、それ以外の力士との対戦では前に落ちる事も無く、投げられることもありませんでした。横綱との差は歴然としていましたが、現在の大関以下には殆ど負けなくなってきています。
●新聞によりますと、彼は勉強家で技術ののみ込みも早いそうです。それは、19歳で日本に来て6年ですが、日本語は達者でインタビューでもよく冗談を交えて、ユーモアのあるコメントをしてファンを楽しませてくれます。
●語学好きだそうで、母国語、日本語に加えてロシア語、英語、ドイツ語も操るそうです。特に日本語は自然に覚えるだけでなく、日本の語学学校に通って身につけたそうです。異国で暮らすには、コミュニケーションが重要だということを理解しているのでしょう。
●相撲も語学もしっかり勉強して自分のものにしていくという実践力が素晴らしいですね。相撲の世界では、1に稽古、2に稽古、3、4が無くて5に稽古と言われるぐらい、『稽古』することが最重要視されています。
●どのようなスポーツでも稽古、すなわち練習を積み重ねないと本番では勝てません。先般書いた浅田真央さんですら、あれだけ練習しても本番でミスが出るのですから。(世界選手権では雪辱しましたが、こころの底から喜んでいるようには見えませんでした。余程オリンピックは悔しかったのでしょうね。涙のインタビューが忘れられません。)
●稽古とは「古事記」にある「古(いにしえ)を稽(かんがえる)」という文から来ているそうです。その意味は「先人の理想的な姿に近づくよう後進が努力をすることを言う」と新聞に書かれていました。
●相撲界では、横綱は白鵬が尊敬する69連勝の大横綱、第35代横綱双葉山関が理想のモデルでしょう。把瑠都関にもこの先、稽古に稽古を重ね、大関昇進の口上で述べた「栄誉ある地位を汚さぬよう努力します」を実践していただきたいと思います。
●そして、1年以内には(今年中は難しいと思います)横綱になるような成績をあげてもらいたいですね。
●大関は中3でお父さんを亡くしており、母国のお母さんには仕送りを欠かさないそうです。親孝行な息子ですね。昨年2月にロシア出身のエレナさんという年上の奥さんを貰っています。挙式、披露宴はまだのようですから、横綱昇進と同時に実現してもらいたいものです。奥さんも喜ばれるでしょう。
●好漢、把瑠都関がその素質に稽古という努力を積み重ね、白鵬関のよきライバルに成長してくれるように、相撲ファンのひとりとして応援しています。そして私たちも、それぞれの分野で目的、目標に向かって「稽古」を欠かさぬよう精進いたしましょう。<完>
- 登録日時
- 2010/04/01(木) 11:37