【今月の提案②】
ドラッカーに学ぶ『強みを活かして伸ばす』
●今月のトピックスでもご紹介しました「週間ダイヤモンド誌」4月17日号からヒントを得て、「強みを活かして伸ばす」について提案をいたします。膨大なドラッカーが残した文献を読みこなすのは大変です。私は普通のビジネスパーソンには「強みを活かして伸ばす」という言葉を最優先にされることをおすすめしています。
●同誌の記事の中で、パナソニック会長の中村邦夫氏のインタビュー記事があります。タイトルは「ドラッカーを読んで目から鱗 ビジネス人生を支えた5つの言葉」となっています。その中で中村会長が肝に銘じる5つの言葉というのがあります。
●その内容は…
●①自己管理→勉強し自分を高める努力を怠るな
●②目標管理→自分の果すべき貢献を考えよ
●③自己分析→自分の強みを伸ばせ
●④時間管理→最も重要なことから初めよ
●⑤情勢分析→「日に新たに」、変わることを恐れるな
●ここでは③にあたります。中村会長はご自身が28歳の時に赤字の販社に出向したときの体験を短く述べられています。それは赤字をなくすため部下にいくらハッパをかけても空回りするだけだったという。そんな時この「強みを伸ばせ」の言葉に出会ったという。
●個々人の強みがどこにあるのかを見極め、その人の強みが発揮できるように仕事を割り振っていった。すると組織が俄かに活気づいた。人は命令によって仕事をするのではなく、チームが一つの目的に向かって一丸となったときに力を発揮する。1+1が2ではなく3にもなる。強みを伸ばすことが大事だということに気づかされたとあります。
●このことは先週の関西のテレビの夕方のニュース番組で、ドラッカーのトピックスがミニ特集されていた中でも取り上げられていました。その事例は大阪梅田にあるカフェ「サンミ」の30代の女性経営者のやり方です。
●女性スタッフを多く抱えてビジネスをされていて、なかなか上手くいかなかったのを、ドラッカーを勉強する機会があり、そこで各人の強みに目を向けて役割分担を変えたところうまく行き出したというものです。
●彼女の言葉で印象に残ったのが、「自分の視点で部下を見るのではなく、部下個々の強みに視点をあてるとみんなの動きが大きく変化した」ということです。自分の思うようにしてくれるように部下に仕事を与え、命令するというスタンスから、目標に向かって、各人の強みに目を向け、その組合せを考えるという視点の転換です。
●自分がこうしたいという意識から、相手に意識を向けてそれぞれの強みは何か、それを伸ばし活かすにはどうすれば目標達成に向けて効果的かを考えるのが本当のマネジメントなのでしょう。ドラッカーはそういうことを教えてくれているように思います。
●さらに中村会長のインタビューの中にも出てきますが、ドラッカーの名著「経営者の条件」において、ドラッカーがあげる【成果を上げるために身につけておくべき習慣的な能力】の5つをご紹介しておきましょう。
●第1が『時間を管理することである』
●第2が『貢献に焦点を合わせることである』
●第3が『強みを基盤にすることである』
●第4が『最も重要なことに集中することである』
●第5は『成果を上げるよう意思決定することである』
詳細は同書を参照してください。240Pぐらいですから読みやすいですよ。<完>
- 登録日時
- 2010/04/28(水) 15:28