【今月の提案①】
仕事を効果的に行なう能力とは<1>
●先月も書きましたが、ドラッカー教授の名著「経営者の条件」において、ドラッカー教授は【成果を上げるために身につけておくべき習慣的な能力】として次の5つをあげておられます。
●第1が『時間を管理することである』
●第2が『貢献に焦点を合わせることである』
●第3が『強みを基盤にすることである』
●第4が『最も重要なことに集中することである』
●第5は『成果を上げるよう意思決定することである』
ひとつひとつの詳細は「経営者の条件」をお読みいただければ得るところが多いと思います。本書は経営者でなくとも、「良い仕事をしたい」と思われる方にはお勧めの一冊です。
●興味を持たれた方のために、この5つはどういうことなのかを自分の知識化するための方法をお伝えしましょう。それを知ったうえで本書を読まれれば理解は深まるでしょう。
●自分なりのフォーマットをもって読むことです。本書は要素羅列型の本ではなく、仕事で成果を上げたい人のためのセルフマネジメントの考え方と方法を構造的に書かれた本です。
●チェックリストのような要素羅列型の本も読みやすく、手っ取り早く知識を得るのには適しています。しなし単なる知識ではなく、自分ができるようにしようという方には、構造的に書かれた本書のようなものが適しています。
●自分なりのフォーマットをお持ちの方はそれでやっていただければ良いのですが、そういうものは持ち合わせていないという方は、次のようなフォーマットで読んで、まとめられてはいかがでしょう?
●まず「言葉の意味」を自分なりに定義すること、次にそのことの「目的は何か」を整理し、それから「手段・方法・手順」を確認する。そして書かれている場合といない場合がありますが、実行に当たっての注意点、あるいは状況によってはマイナスになるかもしれないことを書きます。
●最後に事例を読んで、自分経験の中に適用できる事例はないかを探してあればメモすることです。たとえば「強みを基盤にすること」についてやってみましょう。
●まず「強みとは何か」を他の人とも共有しやすいように言葉の意味を具体化します。小難しく言えば定義化すると言います。これは他の人に説明するなり対話をするときに必要です。ドラッカーは強みのことを得意分野と言っています。他にも知識×技能×才能という表現をする人もいます。
●次に目的は何か、ドラッカー教授は「成果をあげるため」と言います。そして手段・方法・手順では、各人の強みを活かすような組織化を行なえと言います。そして注意点として、上司が自分は強みを活かしていながら、部下に対してはしばしば弱みに着目するということ。あるいは自分に忠実な部下を重宝するという間違いを指摘しています。
●事例はいくつか述べられていますが、これは自分に当てはめられることで容易に表現することができるでしょう。他の4つの要素もこのようにしてお読みになれば、ご自分で得るところが発見しやすくなります。
●今回の提案ではドラッカー教授の言う仕事を効果的に行なうための能力についてご紹介しましたが、私の問題意識は「それだけではないのではないか」ということです。他の視点で「組織の中で働くための必要な能力」を知っておくことも必要です。それは、「(知識・知恵・技能・意欲)×資質と3つのスキル(業務・対人・思考)」という構造です。それは次回<2>でご提案いたします。 <完>
- 登録日時
- 2010/05/10(月) 10:23