【9月のトピックス③】
8月の新聞記事から「なるほど」と思ったこと②『非婚化』
● 8月11日から5日間、朝日新聞朝刊で「夏の基礎講座」という連載記事がありました。専門家に対して朝日新聞の違うジャンルの専門記者がインタビューされたもので、面白そうだと切り抜いておきました。前回は「生物」について書きました。
● 今回は「結婚」というテーマについてインタビューを受けられた心理学者の小倉千加子さんの登場です。インタビューは警察・事件担当25年のベテラン記者でした。こういう異分野の組合せは面白い試みです。
● 20年以上前ですか(記憶は曖昧です)詳細は忘れましたが、小倉さんの「松田聖子論」という著書を読んだ記憶があります。確か松田聖子はタヌキ系で山口百恵がキツネ系と言って対比して論じられたものだったと思います。(間違っていたらゴメンナサイ)
● 私には2人の息子がいます。それぞれ28歳と32歳の独身です。私が結婚をしたのは27歳ですから二人ともその歳を超えています。いささか気になってきている時でしたのでこの記事に関心を持ちました。
● 小倉さんは非婚化の要因を以下のように述べられています。
「男女とも結婚相手に求める条件が高騰しすぎたことが最大の理由でしょう」とおっしゃいます。
●「男性は女性に対して①可愛い ②賢い ③家庭的 ④(体重が)軽い、の4Kプラス⑤経済力の5Kを求めます。
● 女性は段背に対して3Cを求めます。3Cとは・・・
Comfortable(快適な)→ 十分な給料
Communicative(理解しあえる)→ 価値観や階層が同じ
Cooperative(協力的な)→ 家事は進んでやってくれる優しさ
● この条件に固執することが結婚難の要因であると指摘されています。
特に女性について、この条件に固執する傾向があると言われます。
●「講義で接する女子大生たちは結婚への妄想をすごく膨らませている。専業主婦願望が強く、多くは25歳までの結婚を望んでいます。大学卒業後少しの期間お勤めをして、白馬に乗った王子様に出会って結婚すると。王子様は理想の男性でいつか現れると信じている。」
● また「働いている未婚女性が専業主婦を望む理由はまず、単純で展望のない労働からの撤退希望です。次にやりたいことがやれる時間の確保。そして一番重要なのが夫の安定した経済力。これがないと今の世の中安心できません。非正規雇用で働く未婚女性の最大の心配事は、雇用の継続や来月のお給料をもらえるかです。」正規雇用で働く女性はそういうことは思わないのでしょうかね?
● 他にも結婚難の背景には「恋愛難」をあげられています。昔のように男女共に職場でゆったりした時間がなく余裕がないこと。また男女共に失敗に対する恐れからアプローチをしない。代わりに脳内彼氏(彼女)を創り上げて満足している。そうして「全員が待ったままだから何も始まらない」とおっしゃいます。それは安全ですからね。
● さらに「いまとても多いのが60歳前後の両親と未婚の30代男性の同居世帯の『大人家族』です。」そういえば我が家はそのとおりです。上の息子は家を出てひとり暮らしをしていますが。
●「独身男性にとって母親以上の『主婦』はいない。人生で一番付き合いの長い異性で、口に合うご飯を作ってくれ、洗濯もしてくれる。お金は要求せず『収入は貯金か好きなことに使いなさい』と言ってくれる。生活費は父親が負担。こんな居心地のいい場所はない。結婚相手の条件に母親を大事にしてくれる人を挙げる男性が増えている。男子学生もそうです。」
● なるほどと思いますがこれでは結婚は難しいでしょうね。現状に満足していて結婚には失敗のリスクが伴う、なかなかアプローチが出来ない、決断ができないというのもわかるような気がします。
● 小倉さんは最後に「男女共に結婚に対する負担感がある。これを解消するには -中略‐相手の要求に応えてあげようとする思いやりや責任感が必要です。これは結婚の才能ですが、育てられない人が多いのです」
● なるほどと感心し、現状はわかったような気がするのですが、それではどうしたら良いのかは浮かんできません。思いやりや責任感というのは持って生まれた資質に関することも多いでしょうし、子供の頃から育てないと身につかないと思います。
● 今日のところはこの記事を読んで「どうすれば非婚化を少なくできるのか」は思い浮かびませんでした。自分のことなら何とかするのですが、子供のこととなると無策です。(笑)
● 大人になった非婚者への援助はビジネスになるでしょうね。ビジネスとは世の中の人が困っていることに気づかせ、それを解消する道筋を示すから成り立つのですからね。そんなことしか浮かばない記事でした。<完>
- 登録日時
- 2010/09/03(金) 16:23