▲ 写真は近所の百貨店の食品売り場での実演販売の模様です。通りがかりに勧められ、あまりの美味しさに思わず買ってしまいました。20個1,050円、大きさからすると決して安くはないのに、その時は気になりませんでした。
【2010年11月の提案①】
情報発信の強度レベルはI・P・Dで
● 売場づくり、POP、販売ツール、チラシ、DMなどの情報発信の手段には7つの視点が必要です。(09年12月の提案に記載)そのうち主なものは「内容」と「表現方法」です。
●「内容」と「表現方法」による「強度(インパクト)」によって対象客への影響度が決ります。今回は内容については一定のレベルという前提で、表現方法による強度を決める3つの切り口を提案いたしましょう。
● その3つとは、インフォメーション、プレゼンテーション、デモンストレーションという概念です。それぞれの意味は・・・
● インフォメーションとは、「お知らせ、告知」というレベルの情報発信です。その方法には要素羅列型、要素関連型、ストーリー型の3つがあります。(これらについては、今回は省略いたします)到達強度は相対的に他の2つより弱くなるでしょう。
● プレゼンテーションとは「提案」というレベルです。何らかの必要性を喚起するのに使います。特にお客様に気づいてもらう、問題意識をもってもらう、そして解決策を購入していただくという働きが必要です。強度レベルは中くらいと仮定いたします。
● デモンストレーションは「実演」というレベルです。お客様の五感に訴え、より強く理解、納得、信頼、決心を導き出そうとするものです。強度レベルは高いと言えます。上手な接客や実演販売はこれに含まれます。
● 主な業種・業態お店でこの3つを見てみましょう。例えば本屋さんでは、Iは作家別、出版社別の陳列、Pは新刊の山積み陳列、○○○という作家特集、本屋大賞特集、お金儲けの本特集、問題解決の解決に役立つ本特集などです。Dは著者によるサイン会です。
● スーパーマーケットではIは素材別食品の陳列と通常よりの割引価格訴求、Pはあったかい鍋もの特集、食べて健康になる朝食特集、Dは試食販売、マグロの解体ショーなどです。
● コンビニではIは分類別陳列ですね。Pは韓流フェア、秋の行楽弁当フェアなど、Dは「おでん」の販売です。
● 家電量販店ではカタログやPOPがI、Pは殆どの分類で情報と商品でエンド陳列などによって行なわれています。Dはテレビが一番目立ちますが、殆ど通電していて試せる店が多いですね。ジャパネットたかたは高田社長をはじめ、デモンストレーションの名人ぞろいです。
● ファッション系のお店は陳列でI・Pを行われますが、接客によってI・P・Dを全て実行されることが重要視されています。
● 他の業界の読者のお店ではいかがでしょう?一度確認してみて下さい。
● 私はお店からの情報発信の強度を効果的にするには、I=60%、P=30%、D=10%の構成が必要だと思っています。検証された数字ではありません。あくまでイメージですが、それくらい方法のミックスがないと楽しくて、買い気が高まる店にはならないでしょう。
● インフォメーションの「3つの方法」、プレゼンテーションによる「必要性を喚起する提案」、デモンストレーションによる「人間の五感への訴求」がこれからの店舗販売を魅力あるものにするための重要課題です。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
● またチラシをご覧になる時も、I・P・Dでチェックすればその要素、全体がどのように構成されているかがわかります。チラシの場合のDは読み手を動かす仕掛けというように置き換えてみて下さい。(またの機会に取り上げます)ぜひお試し下さい。<完>
- 登録日時
- 2010/11/04(木) 11:23