▲ニセアカシアの花。花言葉は「慕情」、「頼られる人」です。
北海道で仕事をさせていただいていた頃を思い出します。
7月の今はラベンダーの花が見ごろでしょうね。
【2013年7月のトピックス①】
スマホ「ギャラクシーS4」の素敵なチラシ
●韓国サムスンの株価の急落が週刊誌や夕刊紙で報じられています。破竹の勢いだった同社の成長に陰りが見え始めているようです。そんななか先週末に新聞折り込みで見た同社のスマホ「ギャラクシーS4」のチラシは素晴らしいものでした。今回はこれを取り上げて何がなぜ素晴らしいのかをご紹介しましょう。
●例によって簡易分析をチラシデータを使って行ったものをアップしておきます。上記の記号をクリックしてそれを手元にお読みください。
●同社のスマホ「ギャラクシーS4」は今年の夏のドコモのツートップ商品としてテレビCMでも数多く取り上げられています。店頭では従来のドコモではありえなかった重点機種として商品展示ゾーンで大きな展示面積を占めています。
●しかも実機体験コーナーとダブル展示という多箇所展開もされているのです。このためドコモショップではツートップ(もう1機種はソニー・エリクソン社製のエクスペリアエースです)以外は販売する気が無いのかと思わせる展開です。
●事実この2機種の販売価格も安くて、分割で買えば数百円という訴求がなされています。ドコモのiPhone対策なのでしょう。ですがそのシンプル展示はiPhoneにも似ており、やがてドコモもiPhoneを取り扱う実験なのかとも思ったりします。(笑)<今朝のネット情報ではアップルと交渉中という社長談話が出ていました。>
●いずれにせよこの夏商戦ではドコモはツートップを重点販売するのは間違いありません。価格も低価格で求めやすくなっています。ところが店頭はシンプル展示で、あいかわらずの接客頼りです。
●売場における価格以外の価値提案は見た目のみです。これでは販売員に依存するしか購入決定は難しいでしょう。これから繁忙期に入りお客様の待ち時間が週末では1時間、2時間という時に、もっと「商品がもたらす価値」を売場にて提案すべきです。
●その参考になるのが今回取り上げたチラシの構成と内容です。表現方法も一部真似ることができます。現状はシンプルな売り場展開ですから、アクセントカラーの使い方など参考にすべきでしょう。
●チラシとしての構成は、表面が商品発想による商品の特長(価値)を伝えようとしています。従来から最も多い手法です。それに対して裏面は一転して顧客発想の構成です。「お客様の声」という手法で体験者の声を伝えています。
●ねらい(目的)は必要性に気づかせる(喚起)ことです。しかも読者の共感を得やすいようなコピーにしています。つまり自分も同じと思わせるような内容になっています。良い手法です。
●今回のチラシで最も活用すべきなのは、裏面の3つの性能の価値をお客様の声で表現したところです。こうすることで不特定多数を対象とした商品の特長の訴求を、ある塊となる特定多数のお客さまにとっての価値に置き換えていることです。
●これによって新しいスマホの購入に関心がある方に、必要性に気づかせる役割(目的)を果たしています。
●CPU、OS、有機LEDという専門用語で表現される性能の価値が、絞り込んだ特定の顧客の声として翻訳(置き換え)しているので、読者(お客様)は自分のことのように理解できるのです。人によっては共感を呼び起こすでしょう。
●さらに基本性能3つの価値以外にも、電池の容量、カメラ機能、操作性という多くのお客様に共通する関心事を取り上げて「メリット」に置き換えていることです。(但し、ベネフィットには置き換えられていませんね。)
●しかも店頭では訴求されていないカラーバリエーションやカラーカバーの存在を訴求しています。これらもお客さまにとっては重大な関心事です。
●店頭ではモックとプライスカードと商品カタログ、操作方法が詳しい人にしかわからない実機体験コーナーが定番展示です。これにお客様が購入に際して知りたい価値情報を加えるのが販売店の役割です。
●他にも①iモードケータイから買い換えようとする方を想定した訴求、②2、3年前にギャラクシーS2などを購入された方の買い替え促進など販売店が提案すべきことはまだまだあります。(エクスペリアエースも同じこと)。
●今だけを重視した売場づくりで通用する商品もありますが、長く使用する耐久消費財は「時間軸」を考えて、お客様が今お使いのものから発想することも行っていただきたいですね。
●そうすると、変わったところ、進化したところだけでなく、『今と変わらないものは何か』ということが、ユーザーにとって買い替えの重要な要素だということもわかります。ご自分のこととして置き換えていただければ実感できるでしょう。
●ここまで書いたところで一息入れていると、テレビ通販ではジャパネットの高田社長がエアコンの買い替えの必要性を訴求するのに、10年前の電気代との比較を行い「これだけ節約できますよ」と甲高い声で叫んでおられました。
●商品の必要性、その価値を伝えた後に「価格訴求」「支払方法」「申込方法」という構成でストーリーができていました。店頭も同じ構成で創るべきです。
●久しぶりに本欄への投稿を再開しました。5月、6月とお休みをいただきました。もし愉しみにされておられる方がいらっしゃれば申し訳なく思います。また何かビジネスに役立つ情報が提供できるように書きます。
●この間、体調が悪かったせいでもなく元気に仕事をしていたからです。限られた小さなエネルギーですので何かに集中すると余裕がなくなります。(笑)毎日メルマガを発行されている方もおられるようです。私には真似のできないことです。
●従来通り気の向くまま趣くまま書いていきます。ご笑覧ください。<完>
- 登録日時
- 2013/07/04(木) 11:26