【2010年2月のトピックス】
日経何でもランキング 「料理研究家おすすめの鍋つゆ」から ●記事はファイルをご参照下さい。
■先月(1月23日)の日本経済新聞の別刷りであるNIKKEI PLUS1の中にある、日経何でもランキング「料理研究家おすすめ鍋つゆ」に興味を持ちました。その理由は我が家の「鍋奉行」を自認して、冬場の週末は何度か台所にしゃしゃり出ているからです。
■我が家の鍋の基本つゆは昆布のみか、昆布に鰹のだしでつゆを作り、ポン酢で食べることが多いのですが、これだけランキングで11種類も提示されると好奇心が湧いてきます。その記事を抜粋しますと…
■市販の鍋つゆは、野菜や肉、魚などの具材と一緒に入れてそのまま火にかければできるストレートタイプと、水で薄めて作る濃縮タイプがある。今回のランキングは両タイプとも対象にした。子供や年配者など様々な年齢層が混在する家族が、1シーズンに複数回、飽きずに食べるのに向く商品を選んでもらった。
■上位には、塩加減の難しい塩味ベース、手間のかかる鶏ガラを煮込んだつゆなど、家庭では簡単には作りにくい商品が並んだ。1位には「ヤマキ 地鶏だし塩ちゃんこ鍋つゆ」。塩と地鶏をベースとしたシンプルながらコクのあるスープで、野菜など素材のうまみを素直に楽しめる。「どんな具材にも合う万能型」(安井レイコさん)など幅広い支持を集めた。
■隠し味にゴマ油やガーリックエキスなど使用。塩ベースのスープは単調な味になりがちだが「広がりのある味になっている」(土屋敷さん)。風味付けに加えたしょうゆからくる適度な甘みもあり、エビやカキなどの魚介類を加えてもおいしく食べられそうだ。<あれ、食べていないのかな?>…以下略
■以下7位までの商品の解説が続きます。こういったランキングは同一品種で個々の商品の特長がはっきりしていて、単価が低い場合有効です。理論的には社会心理学の「社会的証明理論」と言います。意味は、人は何かを選ぶのに迷った時は多くの人が選んだものに影響を受けるということです。
■業界紙や小売業の店頭ではよく売れ筋ランキングという訴求があります。ところが、先程申し上げた条件ではない商品で表示されていることがあります。しかも、ベスト5ぐらい並んでいます。例えば中・高額の家電製品や携帯電話ではあまり効果がありません。
■なぜならそういう商品のランキング表示をすると、上位2位ぐらいまでに集中するからです。お店側が販売したい商品がベスト1位や2位なら使用をしてもよいのですが、その場合下位にランクされた商品は売れ難くなります。
■逆に1人が何種類も購入するか、人によって興味のジャンルが違うような、DVDやCD、本、そして今回の鍋つゆなどの商品は、単価も低いので最適です。ランキング表示という手段もその効果性は商品の特性によって違うので使い方に気をつけましょう。
■早速、第1位の先程の紹介記事のあった「ヤマキ 地鶏だし塩ちゃんこ鍋つゆ」を求めて近隣のスーパーマーケットに出かけました。新聞を片手に5軒まわりましたが、どこにもありませんでした。ヤマキの商品を置いていないのです。2位以下の他の商品は店によって品揃えは違いますが、5軒をまわれば殆ど目にすることができました。第1位だけが無いのです。
■今回は、なぜ在庫が無いのかと問うことはしませんでした。他で探してみようということで、代替品を購入しました。家族はそれなりに鶏と塩味を美味しくいただいたのですが、私は満足していません。どこかで見つけてやろうと思っています。
■今回のスーパーマーケット巡りで気づいた感想をいくつか述べておきましょう。当然の事でしょうが、各店での品揃えと陳列に大きな違いがありました。ある店は、全体の品揃えは限定されているのですが、この鍋つゆはランキング11種類中7種類プラスそれ以外もありました。1箇所で集中陳列です。
■ある大手SMはミツカンというブランドを8割で構成しています。ここは2箇所での陳列です。地域SMは魚コーナー、肉コーナーにその具材に合うつゆを展示していました。百貨店系はその店が強い魚コーナーにのみ3種類だけ置いていました。
■共通しているのは、ランキング表示などないこと。なんのPOPもついていないこと、ただ置いてあるだけ、並べてあるだけです。商品のネーミングとパッケージを見ればわかることだからでしょうが、それ以上の店頭SPはしていません。
■魚素材に合うつゆは魚コーナー、肉素材に合うつゆは肉コーナーぐらいが、素材関連という位置を考えた用途分類陳列でしょうか。ストレートタイプ、濃縮タイプの分類もありません。商品パッケージには表示されているからでしょうね。
■この記事をさらに読み進めると、各品目のポイント解説があります。これなど手書きPOPにすればそれだけで売上は上がると思われます。また目的別には何がおすすめなのかという内容も参考になります。例えば…
■子供に野菜をたくさん食べさせるのに向くつゆには、ランク外だが「カゴメ
甘熟トマト鍋」を推す声が多かった。「大人がお酒を飲みながら食べるのに向くつゆ」には、ランキング表の5、6位の商品を挙げる人が目立ったなど。
■また一層おいしく食べるコツについても専門家のコメントが紹介されています。これらの記事の転用は出所を明らかにすれば可能です。経済専門誌の記事ですから、主婦の方の目にはつきにくいと思います。ぜひ幹部の方がご指示されれば良いと思います。
■店頭にこられたお客様に、いつもと同じ鍋ではなく美味しくて楽しめる鍋つゆがこれだけあるのだという訴求をしてもらいたいですね。時々チラシでは鍋特集という工夫をされているスーパーマーケットもあります。しかし、素材別売場が基本ですから毎日の提案にはなりにくいでしょう。
■そこで、入口に近いところでランキング陳列を行い、それからメインの素材に近いところで関連のものを陳列するという重複陳列が効果的です。そこにちょっとお客様のハートを動かすPOPがあればもっと売れると思いますよ。ぜひご一考を。春はもうすぐですからチャンスがなくなります。<完>
- 登録日時
- 2010/02/02(火) 11:55